共同通信によると、自民党のフロン類対策推進議員連盟は6月9日、温室効果ガスの一種であるフロン類の排出抑制対策を強化し、回収したフロンを再利用する「冷媒サーキュラーエコノミー(循環経済)」の構築に向け、関連法令の改正や予算措置の拡充を政府に求める決議を取りまとめた。
フロン類はエアコンや冷凍・冷蔵設備などの冷媒として広く使用されているが、種類によっては二酸化炭素(CO2)の数千倍から最大1万倍超の温室効果を持つとされる。一方、日本の業務用冷凍空調機器の廃棄時におけるフロン回収率は近年増加傾向にあるものの4割程度にとどまり、依然として多くの冷媒が適切に回収されないまま排出されていることが課題となっている。
こうした状況を受け、経済産業省と環境省はこれまでも冷媒の循環利用に関する検討を進めてきた。2021年に公表された合同会議資料では、2050年カーボンニュートラルに向けた方向性として「HFCsサーキュラーエコノミーの確立」を掲げ、回収・再生・再利用による循環システムの構築を打ち出している。また、国際的にも代替フロン(HFC)の生産・消費量削減が進められており、既存冷媒の有効活用や排出抑制の重要性が高まっている。
冷媒の循環利用は環境対策だけでなく、経済安全保障の観点からも注目される。冷媒の原料や供給網は海外依存度が高い分野もあり、国内で回収した冷媒を再生・再利用できれば、新規冷媒への依存低減や供給リスクの緩和につながる可能性がある。冷媒を単なる廃棄対象ではなく資源として活用する考え方は、サーキュラーエコノミーの観点とも親和性が高い。
一方で、冷媒サーキュラーエコノミーの実現には課題も少なくない。技術面では、回収冷媒に混入した冷凍機油や非凝縮ガスなどを除去し、再利用に必要な品質を安定的に確保することが求められる。また市場面では、新品の代替フロンの方が安価なケースも多く、再生冷媒の流通市場やサプライチェーンはまだ十分に成熟していない。
今回の議連決議は、こうした課題を踏まえながら、冷媒の回収・再生・再利用を促進する制度整備を後押しする動きとして注目される。
【プレスリリース】回収フロン再利用し循環経済を 排出対策強化も、自民党議員連盟
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