サウジアラビアの石油化学大手SABICは、ニベアを主要ブランドとするスキンケア製品製造の独Beiersdorfの化粧品容器包装に、SABICの生物由来の再生可能ポリプロピレン(PP)を使用することを発表した。2021年に市場導入され、化石由来のバージンPPを置き換える。
SABICのTRUCIRCLE™️ポートフォリオが認証する再生可能ポリマーは、製紙業界のパルプ化工程で副産物として生成されるトール油など、さまざまなPPおよびポリエチレン(PE)材料を含む「第2世代原料」といわれる再生可能な原料から得られる。動物素材やパーム油は原料として使用せず、人間の食料や動物の飼料の生産源と直接競合することはない。同ポリマーは、国際持続可能性カーボン認証(ISCC PLUS)に準拠したマスバランス・アプローチに基づいている。マスバランスは、プラスチック材料の製造と変換に使用される再生可能な内容物を最終用途に割り当てるために決定される。これにより、再生可能プラスチック容器包装に入った最終製品を購入するという、消費者が実行できる持続可能な選択を、企業は強調して定量化できる。ISCC PLUS認証は、マスバランス会計が事前定義された透明性のある規則に従っていることを保証し、原料から最終製品までのパートナー企業のサプライチェーン全体のトレーサビリティも確保する。
さらに、揺りかごからゲートまでのライフサイクル分析により、SABICの認証済み再生可能材料の持続可能性要素が確認された。原材料調達からポリマー製造まで、同社の生物由来のPPおよびPE樹脂1トンは、化石由来のバージン原料と比較してCO2排出量を平均4kg削減し、化石燃料の枯渇を最大80%削減する。同調査はISO14040に従って実施され、第三者機関が検証した。SABICのTRUCIRCLE™️製品は、リサイクル可能性・メカニカルリサイクルされた材料・使用済みプラスチックのケミカルリサイクルによる認証済み循環型製品・生物由来の原料からの認証済み再生可能ポリマーの設計で構成されている。
Beiersdorfは、2025年までの野心的な目標を掲げたCARE BEYOND SKIN Sustainability Agendaの一環として、容器包装について以下のように計画している。それは、容器包装を100%詰め替え可能・再利用可能・リサイクル可能にし、プラスチック容器包装に含まれるリサイクル材の割合を30%に増やし、化石由来のバージンプラスチックの使用を50%(2019年比)減らすというものだ。Beiersdorfのグローバル容器包装開発責任者であるマイケル・ベッカー氏は、「製品容器包装に再生可能な原材料を使用することは、炭素排出量を削減し、生態系への負荷を改善するための主要な手段です。当社は、ボリュームゾーンで初めて、再生可能な植物由来の原材料から作られたポリプロピレンを化粧品の容器包装材として使用したことを誇りに思います。SABICとともに、野心的な持続可能性の目標を達成するための重要な次のステップを踏み出します」と述べている。
SABICのパフォーマンスポリマーおよび石油化学産業ソリューション次長であるセルギ・モンロス氏は、「当社の認証された再生可能なポリオレフィン(PE/PP)を使用した革新的な化粧品容器包装は、化石由来原料の枯渇問題と温室効果ガスの排出量削減に大きく貢献できます。植物由来の原材料は、純度と品質、安全性と利便性を損なうことなく、既存の化石由来のプラスチック変換工程を利用して簡単なソリューションを提供します。SABICは、パートナーがこのような可能性から利益を得ることを支援します」と語っている。
【プレスリリース】SABIC COLLABORATES WITH BEIERSDORF TO IMPLEMENT SUSTAINABLE COSMETICS PACKAGING USING CERTIFIED RENEWABLE POLYPROPYLENE
【参照サイト】Beiersdorf