エムエム建材株式会社とNTTドコモビジネス株式会社は2月12日、金属スクラップの資源循環を可視化するITプラットフォーム「STELLAR HUB™」の提供を開始した。同サービスは、建築物の解体工事や製品の製造過程で発生する金属スクラップが、再び鋼材として製品化されるまでのプロセスを追跡するものだ。

日本の鉄鋼業は国内の二酸化炭素排出量の約14%を占めており、脱炭素化が急務となっている。その解決策として、鉄鉱石から鉄を作る高炉法に比べ、鉄スクラップを再利用することで排出量を大幅に抑制できる電炉鋼材の活用に注目が集まっている。しかし、従来のスクラップ流通は情報が断片化しており、どこの現場から出たどのような品質のスクラップかを客観的に証明するデータ基盤が整っていなかった。また、2025年11月には、再資源化の高度化と温室効果ガス削減を目的とした再資源化事業等高度化法が全面施行され、サプライチェーン全体での透明性確保がより一層重要となっている。

資源循環プラットフォーム「STELLAR HUB(TM)」概要図
資源循環プラットフォーム「STELLAR HUB™」概要図(出典:NTTドコモビジネス株式会社 プレスリリース)

STELLAR HUB™は、施主やデベロッパー、解体業者、リサイクル業者、鉄鋼メーカーなど、サプライチェーン上の各プレイヤーを横断して取引情報を追跡する。金属スクラップの発生から再資源化された電炉鋼材の供給までを一貫して可視化し、第三者認証機関による認証取得を通じて資源循環性を裏付けた鋼材「STELLAR HUB STEEL™」を展開する計画だ。初期段階ではエムエム建材が取り扱う資源流の透明化を優先し、次段階以降でマッチング機能などの拡張を行い、業界全体で広く利用できる基盤へと発展させることを目指している。

本サービスのICT基盤には、NTTドコモビジネスが提供する再生資源循環プラットフォーム「CEMPF®」を採用した。CEMPF®は、資源循環に必要なデータの一元管理や認証対応機能を備えており、排出事業者と需要企業をつなぐ機能拡張も予定されている次世代の基盤だ。事業主体となるエムエム建材は、三井物産、三菱商事、双日の各グループの総合力を背景に持つ国内最大級の建設鋼材・製鋼原料商社であり、専門商社としての知見を活かして業界内での資源循環コンセプトの普及を主導する。

NTTドコモビジネスは、これまでもオムロンとの連携による欧州のデータスペース「Catena-X」への接続対応や、Green Carbon社との提携を通じたカーボンクレジット創出など、資源循環を支えるIT基盤の強化を多角的に進めてきた。

【プレスリリース】金属スクラップの資源循環トレーサビリティを行うプラットフォーム「STELLAR HUB™」サービス提供を開始 ~解体工事等で発生する金属スクラップのトレーサビリティ情報の可視化~
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