高級ブランド品のオンライン委託販売大手米ザ・リアルリアル(The RealReal)は米国の委託販売記念日である10月5日、年末までグッチとパートナーシップを提携することを発表した。中古のグッチのアイテムを取り扱うオンラインショップを立ち上げ、高級ファッションの循環を促進することを目的とする。

さらに、全てのグッチの購入品またはザ・リアルリアルを介してアメリカで委託販売された製品に対し、非営利団体のOne Tree Plantedを通じて植樹を行う。この取り組みにより、アマゾン熱帯雨林の気候変動を引き起こす課題を緩和し、今年の米カリフォルニアでの記録的な山火事で被害を受けた森林を再生するなど、世界的な森林再生活動をさらに支援できるとしている。

高級ブランド品は質が高く長期間使用できるとされているが、同社の取り組みによりさらに長く製品を使えるようになる。今日までのザ・リアルリアルのレディースまたはメンズ服の委託販売の実績から、新品アイテムを製造するときの環境コストと比較して、230トンの炭素と1000万リットル以上の水を削減したことがわかっている。

グッチは、ザ・リアルリアルで最も需要のある高級ブランドの1つである。グッチの再販需要は大幅に伸び続けており(今年はさらに19%増加)、3年連続で最も人気なメンズブランドだ。また、委託者にも高い再販価値をもたらし、グッチの衣料品の再販価値はザ・リアルリアルで販売されているすべてのブランドと比較すると平均の2.3倍である。

ザ・リアルリアルの創業者兼最高経営責任者(CEO)のジュリー・ウェインライト氏は「当社がビジネスをより持続可能なものにするために継続的に取り組むことで、ファッション業界だけではなく、すべての企業の水準を引き上げることになります」と述べている。また、「私たちはともに、消費者がサーキュラーエコノミーへの移行を支援し、ファッション業界の二酸化炭素排出量を削減する取り組みに参加することを推奨しており、世界的に再販に焦点を当てています」とも言及している。

ザ・リアルリアルは、グッチが発表したカーボンニュートラル(気候中立)チャレンジにも参加し、2021年までの実現を目指す。また、ステラ マッカートニーやバーバリー、ナヌーシュカと持続可能なファッションパートナーとして提携を結び、高級ブランド品の流通を促進するなど、サステナビリティの取り組みを進めている。

製品がより長く使用されるための取り組みを行うザ・リアルリアルと、高級ファッションブランドであるグッチとのパートナーシップの開始。2社によるサーキュラーエコノミーへの移行に向けた今後の展開が注目される。

【プレスリリース】The RealReal and Gucci Launch Circular Economy Partnership
【プレスリリース】The RealReal x Gucci Promotes Circularity Fashion