デンマーク発の食品ロス削減アプリ「Too Good To Go」を展開するToo Good To Go Japan株式会社は2月4日、日本での正式ローンチから1週間で登録ユーザー数が25万人を突破したと発表した。1月30日時点でApp Storeの総合ランキング1位も獲得している。
同社は1月28日に日本でサービスを開始した。日本は21か国目の展開先で、アジアでは初の市場となる。まずは東京都内の新宿・渋谷・目黒エリアを中心に展開し、現在は80店舗以上と連携している。
Too Good To Goは、飲食店や小売店で発生する余剰食品を「サプライズバッグ」としてアプリ上で販売する仕組みだ。ユーザーはアプリで予約し、指定時間に店舗で商品を受け取る。価格は原則として定価の半額以下(一部例外あり)だ。店舗は廃棄予定だった商品を売上に転換できる。

正式ローンチ後の初動では、ユーザーの61%が「これまで利用したことのない店舗」を選択し、92%が再購入を希望しているという(同社アプリ内調査)。41%のユーザーはサプライズバッグ購入時にほかの商品もあわせて購入しており、客単価向上にもつながっている。加盟店にとっては、廃棄削減にとどまらず、新規顧客との接点創出や来店動機の形成という側面も見えてきた。
クリスピー・クリーム・ドーナツやファミリーマート、NewDaysなどの大手チェーンに加え、個店も参画する。各社からは「アプリ経由で初来店の顧客が増えた」「廃棄していた商品を新たな顧客に届けられるようになった」といった声が出ている。
同社の収益モデルは、店舗側が支払う月額料金と、販売されたサプライズバッグごとの手数料で構成されている。手数料はバッグの販売価格に応じて変動する仕組みだ。店舗にとっては、廃棄コストを削減しながら、これまで収益化できなかった余剰在庫を新たな売上に変えられるメリットがある。
グローバルではすでに累計5億食以上の食品廃棄を防止し、削減効果は約135万トンのCO2e(二酸化炭素換算排出量)に相当する。登録ユーザーは1億2,000万人超、提携店舗は18万社以上にのぼる。スターバックスやマクドナルド、イケアなども参加している。
背景にあるのは、深刻化する食品ロス問題だ。環境省の推計(2025年公表)によると、日本国内の食品ロス量は年間約464万トンにのぼる。このうち、規格外品や返品、売れ残りなどの「事業系食品ロス」は約231万トンを占めており、サプライチェーンにおける効率化が急務となっている。
食品ロスは世界の温室効果ガス排出量の約10%を占めるとされ、気候対策の観点からも即効性の高い領域だ。特に小売・外食段階でのロス削減は、生産に投入されたエネルギーや資源の無駄を直接的に防ぐことにつながる。欧州を中心に規制や情報開示の動きも進む中、余剰在庫の可視化と再流通を担うプラットフォームの存在感は高まっている。
Too Good To Go Japan代表の大尾嘉宏人氏は、できるだけ早い段階でのエリア拡大を目指すとしたうえで、「フードロス削減を特別な行動ではなく、日常の選択として広げていきたい」とコメントしている。
日本市場での急速なユーザー獲得は、消費者の価格感度だけでなく、サステナビリティへの関心の高まりも反映している。今後、コンビニや外食チェーンへの拡大が進めば、国内の食品流通や在庫管理のあり方にも影響を与える可能性がある。
【公式サイト】Too Good To Goでフードロス削減に参加しよう。
【参照レポート】DRIVEN TO WASTE: THE GLOBAL IMPACT OF FOOD LOSS AND WASTE ON FARMS
【参照レポート】我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和5年度)の公表について (環境省)
【参照レポート】TOO GOOD TO GO’S 2024 IMPACT REPORT
【関連記事】飲食店のフードロスをレスキュー。ヨーロッパで話題のアプリToo Good To Go | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD





