JFEテクノリサーチ株式会社は、企業のサーキュラーエコノミー実現を支援する専任組織「サーキュラーエコノミー技術企画グループ」を新設し、2026年4月1日より「サーキュラーエコノミー技術支援サービス」の提供を開始した。自動車産業を中心とした製造業に対し、資源循環および脱炭素に関する技術課題を総合的に支援し、持続可能な社会の実現への貢献を目指す。

同社には近年、サーキュラーエコノミー関連の技術相談が増加しており、特に再生材料の評価、解体・選別プロセス設計、環境負荷評価といった複数分野にまたがる課題を一括で解決したいというニーズが高まっていた。こうした背景から、従来分散していた技術知見を集約し、ワンストップで対応できる体制の構築が急務と判断された。

今回開始されたサービスでは、同社が長年培ってきた材料評価技術や分析ノウハウ、プロセス検証の知見を統合し、技術課題の整理から評価・検討、さらには実装支援までを一貫して提供する。対象となる材料は鉄鋼、非鉄金属、樹脂、リチウムイオン電池、ネオジム磁石など幅広い。

同社は循環型社会への移行が企業の重要課題となる中、循環型社会における新しいものづくりのベストパートナーを掲げ、金属・樹脂リサイクル、電池リサイクル、プロセス実験、DXによる工程最適化など幅広いソリューションを展開する。

具体的には、スクラップ金属の溶解試験および再生材試作では、回収スクラップを溶解・分析し、圧延や熱処理を経て板材などへ再生する技術を提供する。小ロットや特殊合金にも対応し、自動車スクラップ部品の溶解試験や市中回収モーターコア材を用いた再生材試作などの実績を想定する。

再生樹脂分野では、熱特性や機械特性、疲労強度、耐環境性、化学分析、接着性など多面的な評価を実施し、動的粘弾性マスターカーブによる物性確認など高度な分析手法を活用する。

電池リサイクルでは、廃リチウムイオン電池からの金属回収や溶出試験に加え、ブラックマスから再生した電池材料について純度評価から電池特性評価まで一貫した品質評価を行う。

さらに、自動車部品の解体やリバースエンジニアリングにも対応し、車体、バッテリー、モーター、樹脂部品の構造および材料の詳細分析を実施する。設備・プロセス実験では、リサイクル工程や新素材製造における最適条件の検証、有価金属回収プロセスの開発支援、迅速な品種判定による選別精度向上を支援する。

加えて、DX領域ではAIや機械学習を活用したスクラップ選別の高度化に取り組み、大量データ解析による現場効率化を推進するほか、最新のリサイクル技術や規制動向の調査、国内外の技術トレンドレポート作成といった情報提供サービスも展開する。

JFEテクノリサーチ株式会社の今回の専任組織設立は、これまで分断されがちだった技術対応を一体化し、企業がサーキュラーエコノミーに関する複雑な課題をまとめて委託できる体制を整えるものだ。従来は、材料評価やリサイクル工程の設計、環境影響評価が個別に進められることが多く、全体最適が図りにくいという課題があった。こうした中で一体型の支援は、開発初期からリサイクル性や環境負荷を考慮した設計を可能にし、資源循環の高度化と低炭素化を後押しする。結果として、製造業における資源循環の実装を後押しする取り組みとして、今後その重要性は一層高まるものとみられる。

【プレスリリース】サーキュラーエコノミー技術支援の専任部隊を新設
【関連サイト】サーキュラーエコノミー(CE)技術支援