ポストミー合同会社は2022年2月、国内初(※1)となるネットショップ運営者向けの返却可能な梱包材「PostMe」の提供を開始する。段ボールを使用した場合と比較して、梱包材ライフサイクル全体におけるCO2を約95%削減(※2)できるとともに、顧客ロイヤリティを育む革新的な梱包材兼セールスツールとなるとしている。
PostMeの仕組みおよびステークホルダーの役割は、以下のとおりだ。
- ネットショップ運営者:商品をPostMeに梱包する
- 配送業者:PostMeに入った商品を配送する
- ネットショップ利用者:QRコードを読み取ってLineで友達追加し、Me IDを入力する。その後、PostMeを郵便ポストに投函する(PostMeを返却すると、ネットショップなどで利用可能なギフト券が付与される)
- ポストミー合同会社:PostMeを洗浄する
同サービスの特長をポストミー合同会社は下記のように発表した。
- 利用の便利さ:最適な梱包サイズを設定しており、組み立てや緩衝材、宛名書きや切⼿が不要
- ライフサイクル全体で環境負荷削減:段ボール使用時と比較して、CO2排出量を約95%削減。強度や耐摩耗性に優れ、商品配送に20回以上使用可能。100%リサイクル可能な素材のみを使用
ネットショップ運営者は、同サービスを導入することで以下の利点が得られるとポストミー合同会社はみている。
- 定性効果:新たな梱包材体験による顧客ロイヤリティ向上、PostMeネットワークによる流入チャネルの拡大、サステナブルな取り組みによる企業イメージ向上
- 定量効果:梱包作業短縮による荷役費の削減、梱包サイズの適性化による輸送費の削減、リピーター増加による売上拡大
インターネット通販の利⽤が年々増加しているなか、「梱包材の繰り返し利用が当たり前の社会を創る」ことをビジョンに2021年7⽉、ポストミー合同会社は設立された。物を⼤切にする”もったいない”の⼼を持つ⽇本⼈として、新たな梱包材体験を通じて「ヒト」と「企業」の意識と行動を変えることを使命に同サービスの開始に至ったとしている。
海外では、フィンランドに本拠を置くRePackがPostMeと同様のサービスを展開しており、欧州と北米の100社以上が参加している(2020年11月時点)。RePackはドイツ最大級のオンラインショッピング企業3社と共同で、オンラインショッピングのごみの大幅削減を目的としてドイツ政府が資金提供する3年間の研究プロジェクトに参加している。
一方、返却可能な梱包材提供サービスでは輸送段階で排出量の40%〜60%が発生しているため、輸送距離を縮める工夫が必要であると持続可能なファッションを目指すプラットフォームのFashion For Goodは報告している。輸送や洗浄における環境負荷削減に向けたよりよいソリューションが開発され、PostMeのような梱包材提供サービスが拡大されていくことが期待される。
※1 ポストミー合同会社調べ
※2 梱包材の製造~20サイクル使用~廃棄・リサイクルのライフサイクル全体を通した排出量を比較
【プレスリリース】【日本初】CO2排出量を約95%削減できるリターナブルな梱包材「PostMe」をネットショップ運営者向けに提供開始<ポストミー合同会社>
【参照サイト】宅配ごみを減らす。ポストで返せる再利用可能な配送パッケージ
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*記事中の画像の出典:ポストミー合同会社