一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)は6月3日、品質向上・安定供給に資するマテリアルリサイクルによる再生プラスチック市場の拡大を目指し、「SusPla(Sustainable Plastics Initiative、サスプラ)」が設立されたことを発表した。プラスチックリサイクル関連企業の13名が発起人となり、SPC(Sustainable Plastics Certification)認証(※)の拡大、動静脈双方が集う対話の場の形成、環境影響に関連した指標の策定検討などの活動を行う。2030年、国内でのマテリアルリサイクルによる再生プラスチック利用倍増への寄与を目指す。
自動車関連産業を中心に再生プラスチック需要が急速に高まる中、使用済み製品や工程内端材を回収し、製品の原材料として再利用するマテリアルリサイクルは、資源の循環利用や地球温暖化の原因となるGHG排出量の抑制にも寄与することから、カーボンニュートラル対応の面からも拡大が期待されている。
しかし、国内の全プラスチック廃棄物(約800万t強)のマテリアルリサイクル率は約2割で、そのうち国内での循環利用量はわずか50万t程度だという。
「再生プラスチック需要に応えていくためには、品質の確保、安定供給、トレーサビリティの明確化などの諸課題に対し、経営基盤の大小や従来の商慣行を超えて動静脈連携しての対応が必要」だとして、SusPlaが発足された。
これまで、再生プラスチック事業者により設立された「心臓産業の会」(需要者要求に応えうる動静脈連携型の再生プラスチック利用の拡大)メンバーが中心となり、「再生プラスチック資源価値創造プロジェクト」を推進、SPC認証制度の発足に取り組んできた。
SusPlaでは、需給双方の対話の場を形成し、社会全体での再生プラスチックの製品利用拡大を図り、日本のものづくり技術、製品の発展に寄与していく狙いだ。
事務局はサステナブル経営推進機構内に設置。活動を共に推進する賛同者(会員)の募集も開始した。7月16日に東京都内で設立総会が開かれる予定だ。
(※)SPC(Sustainable Plastics Certification)認証制度:再生プラスチックに関するエンドユーザーの理解を促進し、再生プラスチック需要者の適正評価と使用量拡大につなげるため、再生プラスチックのマテリアルリサイクルシステムを第三者が認証する制度。2024年夏頃からの本格始動を目指す。
【プレスリリース】「SusPla(Sustainable Plastics Initiative)」の賛同者募集を開始
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(※画像の出典:一般社団法人サステナブル経営推進機構)