姫路市・株式会社伊藤園・遠東石塚グリーンペット株式会社・キンキサイン株式会社は8月23日、「ペットボトル資源循環型リサイクル実施に関する事業連携協定」を締結した。4組織は、姫路市内における循環型社会の形成を目指す。

同協定により、4組織は連携して「回収・手選別・圧縮梱包」→「再資源化」→「製品製造」→「飲料製品の販売」のサイクルを域内で円滑かつ効果的に推進する。2022年4月1日より、姫路市民が分別・排出した使用済みペットボトルを新しいペットボトルへと水平リサイクル(ボトルtoボトル)する予定だ。これによって生まれた製品が姫路市を中心とした地域で消費され、再びペットボトルにリサイクルされるという資源循環の仕組みを実現するとしている。

国内におけるペットボトルの域内資源循環のモデルの一つとなる取り組みとして、4組織は共同で廃棄物の減量・資源の有効利用を促進し、環境・社会・経済の持続可能性の向上を目指す構えだ。

PETボトルリサイクル推進協議会によると、日本におけるペットボトルのリサイクル率は85.8%と世界最高水準にある。しかし、回収された使用済みペットボトルが国内で再びボトルtoボトルに水平リサイクルされている割合は12.5%に留まり、多くはシートや繊維などのボトル以外の用途にリサイクルされている。

こうしたなか、清涼飲料業界の業界団体である一般社団法人全国清涼飲料連合会は2021年4月、清涼飲料業界として2030年までにボトルtoボトルの比率50%を目指すことを宣言した。ボトルtoボトル水平リサイクルは、同じ材料を資源循環させる理想のリサイクルだと全国清涼飲料連合会は考えている。現在、多くの組織がボトルtoボトルの取り組みを進めている。

【プレスリリース】姫路市 × 遠東石塚グリーンペット × キンキサイン × 伊藤園 4者連携に基づきペットボトルの域内循環を目指します 『ペットボトル資源循環型リサイクル実施に関する事業連携協定』締結
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*冒頭の画像の出典:株式会社伊藤園