東急株式会社(以下、東急)と東急電鉄株式会社(以下、東急電鉄)はこのほど、2023年1月に定期運行を終了した田園都市線の「8500系」車両で使用されていた吊り輪を再利用した照明器具「WA」を、2025年8月25日から150台限定で販売すると発表した。この取り組みは、資源の再利用を通じて循環型社会の実現を目指すものだ。
全国の鉄道車両で大量かつ汎用的に利用されている吊り輪に着目し、資源循環の観点からアップサイクル照明器具を開発、販売する。本商品は、ロンドンを拠点に活動するデザインスタジオ「Akasaki & Vanhuyse」のデザインによって生み出されたもので、長年使用された吊り輪の経年変化をデザインの一部として取り入れ、「8500系」の記憶を照らすオリジナルプロダクトだ。約1編成分の吊り輪が本商品150台の製作に活用されている。東急電鉄はこれまで「鉄道お宝市」などで吊り輪を販売してきたが、吊り輪を活用し新たな商品として販売するのは今回が初の試みだ。
この取り組みは、株式会社博報堂が未来創造の技術としてのクリエイティビティを研究・開発し、社会実験していく研究機関として設立した「UNIVERSITY of CREATIVITY(ユニバーシティ・オブ・クリエイティビティ)」(以下、UoC)が、2021年に実施した「Circular Creativity Lab.〜クリエイティビティで廃材をハックしよう」にて、「Akasaki & Vanhuyse」により応募されたアイデアを実現するものだ。東急および東急電鉄は、「Circular Creativity Lab.」で「8500系」の車両部品を活用するアイデアの募集を行っていた。
東急は、2022年3月に策定した「環境ビジョン2030」で、環境に良い行動が特別な負担感なく選択でき、誰もが持続可能な社会と地域環境の再生に貢献できるまちづくりを掲げている。
また東急電鉄は、2024年3月に策定した中期事業戦略をもとに、鉄道事業を通じた脱炭素・循環型社会の実現と、事業特性を活用した新たな価値創造・貢献に取り組んでいる。両社は本取り組みを通じて、事業で発生した廃材の再利用を推進するとともに、鉄道業界全体でも資源の再利用を促し、循環型社会の実現を目指す。
【プレスリリース】田園都市線を運行していた「8500系」の吊り輪を活用した照明器具「WA」を8月25日から150台限定で販売します
【商品ページ】WA アップサイクルストーリー
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