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カナダ

Canada

1) サーキュラーエコノミーの動向

ロシアに次ぐ世界第2位の面積(日本の約27倍)を持つ国土に、石油・天然ガス・石炭・ウラン・水力資源などを豊富に有し、IMF(国際通貨基金)によると、カナダの保有する自然資源の価値は世界第3位を誇る。

豊富な森林資源

カナダの国土の約半分は森林が占め、総面積は約4億200万ha、日本の国土の11倍に相当し、世界の森林面積の約10%を占める。約9万3,000種の動植物や微生物が生息し、生物多様性に富んでいる。

カナダの森林の94%は公有林で、政府が管理をしている。森林を取り巻くバイオ経済にはサーキュラーエコノミーの原則を適応し、資源がカスケードして循環する仕組みが作られ、そこで発生する利益によってさらなるバイオプラスチックやバイオ燃料、グリーンケミカルなどの高付加価値製品を開発・製造するなど、気候変動問題への対処を行っている。

EPR(拡大生産者責任)に重点をおいた政策

カナダでは、特定の資材に対する拡大生産者責任を1990年代より導入していたが、より広範囲におけるサーキュラーエコノミー戦略が、州や自治体によって導入され始めた段階にある。

1994年にはブリティッシュコロンビア州にて最初に印刷プログラムにEPRを導入し、1996年には西部カナダにおいて使用済みオイルとコンテナに導入された。

ブリティッシュコロンビア州では2014年に印刷用紙と包装の100%EPRプログラムを開始し、ケベック州ではブルーボックスプログラムを100%EPRの資金提供を受ける形にした。また、オンタリオ州はEPRを2017年のサーキュラーエコノミー戦略の中心に据えている。

カナダ環境大臣評議会(CCME)は、2009年にカナダのすべての連邦、州、および準州のEPRの行動計画を発表し、2段階に分けて優先製品を定義しEPRアクションを義務付けた。

現在カナダでは、電子機器・塗料・タイヤ・バッテリー・農薬容器・医薬品などの製品に対して120を超えるEPRプログラムが導入されている。

段階1 (2015年まで) :

印刷された紙と包装・水銀含有ランプ・電子機器・家庭からの有害廃棄物および特殊廃棄物・自動車製品

段階2(2017年まで) :

建設および解体関連廃棄物・家具・繊維・カーペット・家庭用電化製品・オゾン層破壊物質

2030年までにプラスチック廃棄ゼロを目指す

2030年までにはプラスチック廃棄ゼロを達成するという目標を掲げ、2021年末までには有害な使い捨てプラスチックの使用を禁止することも定めている。また、政府は、プラスチックのリサイクルをより一層促すため、生産者責任の拡大を図り、この種の取り組みの要となるイノベーションや技術開発を行う中小企業などに投資している。

2021年1月には、サーキュラーエコノミー推進機関のエレン・マッカーサー財団のイニシアチブであるプラスチック協定がカナダにおいても発足した。カナダのプラスチックバリューチェーン全体にまたがる企業・政府機関・NGOを含む40以上の組織が結集し、プラスチックを巡る循環型経済実現を目指し、2025年に向けて次の4つの共通の目標達成に向け協業する。

  • 問題がある、あるいは不要であるとされるプラスチック包装のリストを定義し、それらを無くすための措置を講じる
  • 再利用・リサイクル・堆肥化可能な設計がされているプラ​​スチック包装の100%使用に向けた取り組みを支援する
  • プラスチック包装の少なくとも50%を効果的且つ確実にリサイクルまたは堆肥化可能にするために積極的な行動を起こす
  • プラスチック包装の全重量のうち、少なくとも30%をリサイクル素材にする

カナダには、サーキュラーエコノミーの実現に向け先進的な技術開発やプラットフォームの提供を行う企業や、独自の対策を講じる自治体も多い。

2) サーキュラーエコノミー推進組織・機関

カナダ国内でサーキュラーエコノミーを推進する主な政府・民間団体は以下の通り。

3)先進的な企業、自治体の事例

企業

CCI Bioenergy

嫌気性消化を使用した有機物処理ソリューションの開発における北米のパイオニア的企業。有機廃棄物を再生可能エネルギーと土壌改良製品に変換する。

Facedrive

配車アプリを提供する企業。乗客がドライバーを呼ぶ際に、電気自動車、ハイブリッド車、ガソリン車のどれを利用するかを選択することができる。また、カーボンオフセットの取り組みとして、乗客がこのアプリを使って移動した後には、移動距離から算出されるCO2排出量が植林プロジェクトへの寄付金に変換されて利用料金に上乗せされる仕組みを提供している。

Second Harvest

地元企業と地域の非営利団体や社会福祉団体とをつなげ、売れ残った食品の廃棄を防ぐプラットフォームを提供している、カナダ設立の特定非営利活動法人

Compugen Finance

カナダ最大のITソリューションおよびサービスプロバイダのひとつ。廃棄される電子機器を回収し、再販、寄付、リサイクルを実施。一例として、Green4Goodプログラムを作成し、1,600,000のIT資産の埋め立てを抑止することにより、300万ドル以上を165以上の慈善団体に提供した。

Li-Cycle

有害廃棄物として処理されてきたリチウムイオン電池をリサイクルし、再度サプライチェーンに戻す技術を開発した。リチウムイオン電池を循環可能で持続可能な製品にすることに貢献。

Optel Group

サプライチェーントレーサビリティシステムの世界的大手プロバイダー。サプライチェーン上で使用されている原材料に関するデータ収集を行うプラットフォームを提供している。

パイロウェーブ

化学プロセスを電化するパイオニア。使用済みプラスチックをバージンプラスチックに再生する循環型ソリューションを提供する。

Celestica

多国籍電子機器製造受託サービス企業。Corporate Knights が選出する、世界の最もサステナブルな企業100 にて2019年には94位に、2016年には85位に選ばれた。2019年のサステナビリティレポートでは、前年と比較して Scope 1と2における温室効果ガスを57.4%削減、廃棄物の回避率92.7%という実績を報告している。

自治体

ケベック州

オランダ・アムステルダムに本拠を置くサーキュラーエコノミー推進機関のCircle Economyとケベック州の政府機関RECYC-QUÉBECとが提携し、州におけるサーキュラーエコノミー移行度のモニタリングを行い、下記3つの目標達成を目指す。

  1. 国際的なサーキュラリティ(循環度)測定法をケベック州の経済の現状に当てはめ、成果を図るための基準値を明確化する
  2. ケベック州がサーキュラーエコノミーへ移行するにあたり、仕組み上障壁となるものを洗い出し、必要な政策手段を明確にする
  3. 産官学横断的にケベック州のサーキュラーエコノミー移行後の全体像を示すことで、移行に向けた取り組みを活性化させ、意識を向上させる

トロント市(オンタリオ州)

市を循環型経済に移行させ、廃棄ゼロを目指すための、独自の廃棄物管理戦略を策定している。現在のトロント市における廃棄物の状況を公開し、今後30から50年という長期にわたる廃棄物管理対策を定義。また、2026年までに廃棄物の70%を埋め立てからリサイクルに移行させるという目標も含まれる。

2021年4月には、ニューヨーク・アムステルダム・グラスゴー・コペンハーゲンと共に、Circular Innovation City Challengeに参加し、都市を循環型経済に移行させるための解決案を市民・企業・イノベーターなどから公募する試みを行っている。

バンフ市(アルバータ州)

自然豊かなバンフ国立公園内に位置し、野生生物と共生する市。2019年11月に、「ゼロ・ウェイスト・トレイル」 と名付けられた構想の一環として、熊の干渉にも耐えられる食品廃棄物専用のごみ箱を市内16カ所に設置した。ごみ箱に入れられた食品廃棄物は、処理施設に運ばれ堆肥化される。設置後2年間で、さらに63個の同様のごみ箱設置を予定しており、2050年までに市内のすべての廃棄物の埋め立て処分をゼロにすることを目指している。また、2019年10月には行政機関で使用する自動車を電気自動車に置き換えるREV計画を発表しており、2030年までに温室効果ガス排出量を2005年比約30%減、2050年までに80%削減することを目指している。

バンクーバー(ブリティッシュコロンビア州)

メトロバンクーバー(バンクーバー市を含む都市圏)において、2020年までに1人あたりの廃棄物の発生量を2010年と比較して90%以下に減らすという目標を設定。地域における食品廃棄の削減と、繊維購入業を再考するための積極的なキャンペーンを行っている。メトロバンクーバーにおける、循環型の食の仕組みから生み出す価値は1.95億ドル、回収された木材市場の潜在的価値は3.4億ドルと見積もっている。

サリー市(ブリティッシュコロンビア州)

2018年、官民がパートナーを組んだ北米初のバイオ燃料生産施設を開設した。この施設は、オーガニックの廃棄物をバイオ燃料に生まれ変わらせることにより、二酸化炭素廃棄量を年17,000トン削減するというサリー市の目標に大きく寄与する。また、将来にわたる廃棄物の増加を見越し、開設時は年間65,000トンのオーガニック廃棄物を回収していたが、2043年には11万5,000トンになると見込まれる回収量に対応できるよう設計されている。

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