1) サーキュラーエコノミーの動向
1980年代以降、国内の資源不足を解消するためとして、固形廃棄物を輸入して、新たな原材料として再生利用する取り組みを積極的に進めてきた中国。しかし、廃棄物中の汚染物質や危険物質の混入を問題視し、日用品プラスチックやバナジウムスラグ、非分別の紙類や衣類など24品目について、2017年末をもって輸入を禁止した。これは、廃棄物の処理・再生を海外に依存していた先進国を中心に、自国内・地域内でのサーキュラーエコノミー推進への動機づけを与えることにつながった。
中国ではここに至るまでの間、サーキュラーエコノミーにつながる政策が着々と積み重ねられてきた。2009年に「循環経済促進法」が施行されたのに続き、2013年には具体的な取り組みについてまとめた「循環経済発展戦略および短期行動計画」を発表。17年には国家発展改革委員会など14の政府部門が連名で「循環発展牽引(けんいん)行動」を公布して以降、環境管理やリサイクルだけにとどまらず、資源の採掘から、製造、小売、消費にいたるまで、バリューチェーン全体、さらには社会全体でサーキュラーエコノミーを推進しようとする取り組みが進んでいる。
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