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中華人民共和国(中国)

CHINA

1) サーキュラーエコノミーの動向

1980年代以降、国内の資源不足を解消するためとして、固形廃棄物を輸入して、新たな原材料として再生利用する取り組みを積極的に進めてきた中国。しかし、廃棄物中の汚染物質や危険物質の混入を問題視し、日用品プラスチックやバナジウムスラグ、非分別の紙類や衣類など24品目について、2017年末をもって輸入を禁止した。これは、廃棄物の処理・再生を海外に依存していた先進国を中心に、自国内・地域内でのサーキュラーエコノミー推進への動機づけを与えることにつながった。

中国ではここに至るまでの間、サーキュラーエコノミーにつながる政策が着々と積み重ねられてきた。2009年に「循環経済促進法」が施行されたのに続き、2013年には具体的な取り組みについてまとめた「循環経済発展戦略および短期行動計画」を発表。17年には国家発展改革委員会など14の政府部門が連名で「循環発展牽引(けんいん)行動」を公布して以降、環境管理やリサイクルだけにとどまらず、資源の採掘から、製造、小売、消費にいたるまで、バリューチェーン全体、さらには社会全体でサーキュラーエコノミーを推進しようとする取り組みが進んでいる。

2020 年1月には、国家発展改革委員会が公表した「プラスチック汚染対策の一層の強化に関する意見」で、2020 年末までに使い捨て発泡プラスチック食器、使い捨てプラスチック綿棒の製造・販売を禁止、プラスチックマイクロビーズを含む化粧品の製造・販売を禁止する方針も公表した。

中国は、世界のサーキュラーエコノミー化におけるキープレイヤーを目指す動きも加速させている。中国の第13次5ヵ年計画(2016年~2020年)では、省エネや温室効果ガスの排出削減、大気汚染改善など環境保護のための政策の実施を強化するとして、サーキュラーエコノミー化につながる施策をメインに打ち出している。2018年7月には、EUとの間でCEに関する共同声明を発表した。

近年、中国の環境産業市場は飛躍的に成長している。香港貿易局が発表した「中国における環境サービス市場」によると、2019年の水処理、廃棄物、環境施設管理等の市場規模は8兆7300億人民元(約137兆円)で、年率2.9%の成長を示した。

環境分野への投資は、第13次5ヵ年計画の期間(2016~2020年)に15億人民元(258億円)を超えると予測されている。土壌汚染浄化、汚染河川の処理、排水の優れたスポンジシティの建設など多数の環境プロジェクトが官民パートナーシップ(PPP)を通じて実施されており、それらへの投資額は数兆人民元に達すると見込まれている。

中国財政部のデータベースに登録された汚染改善と脱炭素化プロジェクトの数は、2020年時点で5542件、総額5.3兆人民元(約83兆円相当)に達している。

中国では、廃棄物管理関連の国有企業を中心に欧州の同業を買収、または投資する動きが近年目立っている。一方で、サーキュラーエコノミー推進に向けた技術やノウハウはまだ不足している。アジア地域でのサーキュラーエコノミー推進という意味でも、日本政府・企業による中国との戦略的な連携の推進が求められる局面にある。

2)サーキュラーエコノミー推進組織・機関

3)先進的な企業、自治体の事例

企業

中国環境保護企業連合(CAEPI)によると、中国の環境関連企業の約90%が水、大気、土壌汚染改善に関わる領域を担っている。

中国光大グループ(China Everbright Group)

中国国営の総合環境ビジネス企業の一つ。2019年売上高は前年比38%増の375億香港ドル(約5100億円)、営業利益は同20%増の53億香港ドル(約720億円)。廃棄物によるエネルギー回収に関わるごみ発電とバイオマスが、成長に大きく寄与している。現在建設中のゴミ処理施設がすべて完成すると、アジア最大の廃棄物エネルギー回収事業者となる見込み。2016年にはポーランドの大手廃棄物管理Novagoを買収、中東欧の環境関連マーケットへの参入も進めている。

Chiho Environmental Group(香港)

中国最大手の金属スクラップグループ企業。2019年に金属スクラップの欧州最大手ショルツ(ドイツ)の買収を子会社のCTGを通じて完了させ、金属スクラップ処理でも中国企業の欧州への進出、市場統合が進んでいる。

日本の廃棄物処理事業者の鈴木商会(札幌市 https://www.suzuki-shokai.co.jp/)が、同社とタイの廃棄物処理事業者との合弁で、モータースクラップ解体事業を始めている。

北京エンタープライズウォーターグループ

中国国営の水処理システム開発会社で、水関連事業では世界第4位の規模。2016年にドイツの廃棄物大手EEWを買収している。

自治体・地域

世界初の公共バスの電化(e-bus)に成功 深セン市(人口125万人)

深センは、2017年に世界初となる公共バスの電化(e-bus)に成功した都市。2009年に中国政府から13の自動車に関するパイロット都市の一つに選ばれ、国と自治体からのファンドの組み合わせを活用しながら、1万6000台のe-busを整備するとともに、500の充電ステーションと5100の充電ポイントを設置した。E-bus化を進めるに当たっては、バス会社に車両と電池をレンタルするサービスモデルによってバス会社の初期投資の負担軽減を図った。e-busの推進による同市の温室効果ガスの削減効果は、年間約430万トンにのぼる。

現在はバスとともにタクシー2万3000台の電化も進んだ一方で、再エネ由来の電源はわずか1%にすぎず、化石燃料由来の電源からの転換が望まれる。

【参考】

【参考図書】サーキュラーエコノミー デジタル時代の成長戦略(日本経済新聞出版社)