目次
チェコ共和国は、人口1,070万人(2021年)面積78,000km2、首都をプラハ市に置く。2016年にチェコ共和国Czech Republicの省略形としてCzchia(チェチア)の名称が使われるようになり、欧州ではしばしばこちらの呼び名が聞かれる。同国の首都プラハ市にある歴史地区やチェスキー・クルムロフ市は、ユネスコの世界遺産に登録されており、古い街並みが残された非常に美しい欧州では有数の観光地でもある。民族は、チェコ人が69%・スロバキア人・ウクライナ人など。言語はチェコ語。
1) サーキュラーエコノミーの動向
政府の政策現状と民間・企業における現状
チェコ共和国におけるサーキュラーエコノミーへの取り組みは、先駆者的存在であるオランダやフランスなどとの比較では、政府レベルのサーキュラーエコノミー推進政策が整備段階であるため、国による牽引がまだ本格化していない。政府は、EUにおけるサーキュラーエコノミーの推進政策に連動する形で、サーキュラーエコノミーを一体化させた政策枠組みである「サーキュラー・チェコ 2040 (Circular Czechia 2040)」の開発に着手したが、施行までに当初の予定より多くの時間を要している。
チェコにおけるサーキュラーエコノミーの国内政策が遅れている原因について、欧州委員会支援プロジェクトのサーキュラーエコノミーレポートにおけるチェコ共和国による分析によると、同国では、政府と地方自治体間の政策をめぐる協力体制が確立されていないことを指摘している。
一方で、民間レベルにおけるサーキュラーエコノミーに関する認識度や社会的な受容度は高く、政策・規制が整備されれば、国内経済には循環型モデルの採用における潜在機会が多数存在する。Otakar Ungerman・Jaroslava Dědkováによる研究報告でも、国家の政策レベルとは対照的に、国内企業におけるサステナビリティへの取り組みはすでに10年以上前から自発的に進んでおり、2012年の調査では、チェコ国内企業の71%が持続可能な事業戦略を長期的に打ち立てていた。
この記事は、Circular Economy Hub 会員専用記事となります。