サステナビリティ・循環経済に関わるデジタルメディア運営および企業・自治体の支援を手がけるハーチ株式会社では、2021年より横浜市における循環経済推進メディアプラットフォーム「Circular Yokohama」を通じて学校法人・神奈川大学(神奈川県横浜市)と連携しながらサーキュラーデザイン教育に取り組んでいます。

これまで、2022年1月から3月にかけては経営学部の道用大介准教授のゼミと連携し、3ヶ月でサーキュラーデザインのプロトタイプまでを作り上げる「サーキュラーデザインプロジェクト」を実施したほか、2022年9月には同社が提供するサーキュラーデザイン思考を身につける1dayワークショップ「Circular Design Sprint @KU」を実施、2023年には循環経済に参加する楽しさを市民に味わってもらうためのサーキュラーサービスデザイン実践の一環として、神奈川大学内にあるみなとみらいファブラボとの連携により「循環ガチャ」を製作するなど、様々なサーキュラーエコノミープロジェクトに協働して取り組んできました。

Circular Design Sprint @ KU の様子

このたび、これらのサーキュラーデザイン教育における共同実践の一環として、神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター主催のもと11月13日(月)から12月4日(月)にかけて「サーキュラービジネスデザイン実践講座 サーキュラーエコノミー×デザイン思考を身につける」(全4回・毎週月曜18:00-21:00・オンライン(最終回のみリアル開催))を開催します。

本講座では、デザイナー、スタートアップ企業、大企業それぞれの立場から循環型のビジネスモデル構築に取り組んでいるゲスト講師陣による特別講義と、実際に頭と手を動かしていただく実践的なワークショップとを組み合わせることで、短期集中でサーキュラービジネスデザインの理論と実践の双方を学ぶことができる内容となっています。

ハーチ株式会社が運営する循環経済専門メディア「Circular Economy Hub」、企業の循環型事業づくりを支援する「IDEAS FOR GOOD Business Design Lab」、そして地域に根付いたサーキュラーデザイン実践を行う「Circular Yokohama」のノウハウを掛け合わせた濃密なプログラムとなっていますので、ご興味がある方はぜひご参加ください。

講座の目的

脱炭素・SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の手段としても注目が高まるサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行に向けてサーキュラーデザイン思考を身につけ、循環型のプロダクト・サービス・ビジネスを創り上げたい全ての方に向けた全4回の短期集中プログラム。

講座では、実務に役立つ最先端のサーキュラーデザインフレームワークも多数ご紹介。サーキュラーエコノミーを実践するゲスト講師のレクチャーに加え、実際に頭と手を動かすワークショップ形式により、理論と実践の双方からサーキュラーエコノミー・サーキュラーデザインの本質に対する理解を深めます。

講座概要

  • 開催日:2023年11月13日 ~ 2023年12月4日(全4回)
  • 時間:18:00~21:00
  • 受講条件:全日程に参加必須。最終日の発表に向けて、講義日以外で個人によるアイデアのブラッシュアップ、ワークをしていただく場合があります。
  • 講座受講料:一般の方:39,000円 神奈川大学生・卒業生等および協議会加盟大学在学生:35,000円
  • 開催場所:オンライン(最終回のみ対面開催。場所:神奈川大学みなとみらいキャンパス「KUポートスクエア」・住所:横浜市西区みなとみらい 4-5-3)
  • 定員:16名
  • 主催:神奈川大学
  • 申込期間:2023年9月1日~2023年10月30日 ※申込期間後も定員に余裕がある場合は、受け付けますのでお問い合わせください。

講座日程

第1回2023/11/13(月)18:00-21:00 @オンラインUNDERSTAND(理解する)
サーキュラエコノミー・サーキュラーデザインに関する基礎知識と理解を深めた上で、リニア型ビジネスモデルにおける課題を特定するためのリサーチ手法について学びます。当日の内容:
・基礎レクチャー:「サーキュラーエコノミー・サーキュラーデザイン概論」加藤佑(ハーチ株式会社)
・ゲストレクチャー:「サーキュラーデザインとリサーチ」峯村省吾氏(造形構想株式会社)
・ワークショップ・課題:バリューチェーン・マッピング
第2回2023/11/20(月)18:00-21:00 @オンラインDEFINE(課題定義)
実践的なサーキュラーデザイン戦略・手法・フレームワークのインプットおよび、サーキュラー・スタートアップ企業が実際の事業開発において直面する課題について理解を深めた上で、循環型プロダクト・サービス・ビジネスアイデアの創出に向けた課題と機会を定義します。当日の内容:
・基礎レクチャー:「サーキュラーエコノミー・サーキュラーデザイン実践」加藤佑(ハーチ株式会社)
・ゲストレクチャー:「スタートアップのサーキュラーエコノミー事業開発」善積真吾氏(カマン株式会社)
・ワークショップ・課題:課題の特定
第3回2023/11/27(月)18:00-21:00 @オンラインMAKE(アイディエーション)
国内外の最先端のサーキュラービジネスアイデアのインプットおよび、大企業におけるサーキュラーエコノミー事業開発について学んだ上で、循環型プロダクト・サービス・ビジネスアイデアづくり、サーキュラー・ダイアグラム、ストーリーボード作成を行います。当日の内容:
・基礎レクチャー:「最先端のサーキュラービジネスアイデア事例」加藤佑(ハーチ株式会社)
・ゲストレクチャー:「大企業のサーキュラーエコノミー事業開発」河合洋平氏・中川浩司氏(AGC株式会社)
・ワークショップ・課題:ビジネスモデルマップ・ストーリーボードの完成
第4回2023/12/4(月)18:00-21:00 @対面MAKE & RELEASE (プロトタイピング)
廃材などを利用して、アイデアを実際に形にしたプロトタイプ(試作)を制作し、サーキュラー・ダイアグラム、ストーリーボードとともに発表、各参加者のプロトタイプに対するフィードバックまでを実施します。当日の内容:
・ワークショップ:プロトタイプの作成・発表
・フィードバック
・最終振り返り

ポイント

  • CIRCULAR:循環経済への理解が深まる
  • DESIGN:デザイン思考が身につく
  • BUSINESS:事業アイデアが描ける
  • PRACTICE:実践的なワークショップ

こんな方におすすめ

  • サーキュラーエコノミーについて詳しく学びたい方
  • サーキュラーデザインに興味がある方
  • 既存事業のサーキュラーエコノミー移行を進めたい方
  • 新たに循環型の製品・サービス・事業を作りたい方

※ デザインに関する専門知識は不要で、どなたでもご参加いただけます。

特別ゲスト講師のご紹介

第1回:UNDERSTAND(理解する)

第1回は、あらゆる産業の中でもサーキュラーデザインの難易度が高いと言われる繊維業界の複雑なサプライチェーンを徹底した丁寧なリサーチに基づき日本で初めて精緻に可視化し、ポストコンシューマーコットンの循環の可能性を模索する「Consumer Cotton Project」を手がけた造形構想株式会社・代表の峯村昇吾さんをゲストにお招きし、デザイナーの視点からサーキュラーデザインにおける市場理解やリサーチの重要性、その手法について詳しく学びます。

峯村昇吾さん(サービスデザイナー・造形構想株式会社代表取締役)

武蔵野美術大学大学院造形構想専攻修了。1982年東京都生まれ。青山学院大学卒業後、繊維専門商社を経て、FABRIC TOKYOに参画。クリエイティブ、サービスデザインにデザインに従事し、2020年に造形構想株式会社を設立。社会変革と持続可能性のためのサーキュラーデザインの研究と実践をしている。

【企業サイト】造形構想株式会社
【参考サイト】AWRD “Consumer Cotton Project”

第2回:DEFINE(課題定義)

第2回は、繰り返し再利用可能なリユース型テイクアウト容器のシェアリングサービス「Megloo(メグルー)」を展開する株式会社カマン・代表の善積真吾さんをゲストにお招きし、スタートアップ企業の視点から、容器の素材選択やデジタル(アプリ)とリアルを掛け合わせたサーキュラー・サービスデザイン、シェアリングサービスのLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)など、循環型ビジネスモデルの構築に必要なエッセンスについて学びます。

善積 真吾さん(株式会社カマン代表取締役)

慶應義塾大学理工学研究科(修士)卒業後、2005年ソニー株式会社へ入社。全自動カメラロボットを発案・商品化。特許出願約30件。スペインのIE Business SchoolにてMBA取得。新規事業創出プログラムのオーディション立ち上げに参画。Sony Startup Acceleration Programプロデューサーとして100チーム以上の大企業・ベンチャー・大学・NPOの新規事業立ち上げ支援後、独立。2020年「ローカルの魅力を創り、広める」をコンセプトに鎌倉で株式会社カマンを創業。リユース型テイクアウト容器のシェアリングサービス「Megloo(メグルー)」を展開

【サービスサイト】Megloo
【企業サイト】株式会社カマン

第3回:MAKE(アイディエーション)

第3回は、スマートフォンの画面から住宅まで、私たちの身の回りに溢れていながらも普段あまり意識することがない「ガラス」という素材の可能性をサーキュラーデザインの視点から探索し、「素材のテロワール」プロジェクトやガラスをカレット化して砂浜に戻し、干潟再生・ブルーカーボン創出を目指すプロジェクト、「ガラスの資源循環を推進する地域協創プロジェクト」など、革新的な取り組みを実践しているAGC株式会社の河合洋平さん・中川浩司さんのお二人をゲストにお招きし、大手企業の立場から取り組む循環型ビジネスモデル構築のエッセンスやノウハウについて学びます。

河合洋平さん(AGC株式会社 技術本部 企画部 協創推進グループ マネージャー)

素材の会社AGCで協創活動を行う傍ら、クリエイティブな活動を通じて素材の新たな価値を探求するUNOU JUKUを主催。「人を癒すガラスをつくりたい」という想いからクリエイターとの協創を始め、「空を閉じ込めたガラス」や土地の記憶を素材に込める「素材のテロワールプロジェクト」を通じて素材の情緒的な価値を探求している。

中川浩司さん(AGC株式会社 技術本部 企画部 協創推進グループ マネージャー)

2006年入社。研究開発から始まり、主にスマートフォンのカバーガラス開発に携わる。その後、シリコンバレーでの技術マーケティングを機に、本場のデザイン思考と出会う。現在は社外との協創活動とデザイン思考により新しい価値創出を担当。素材屋視点のサーキュラーエコノミーモデルの構築と実装に力を入れている。

【企業サイト】AGC with Design「土地の記憶を素材に込める- 素材のテロワールプロジェクト」
【企業サイト】AGC「ガラスの資源循環を推進する地域協創プロジェクトを本格始動」
【企業サイト】AGC「スマホのガラスを地球に返して 自然と人が寄り添う砂浜に」

ワークショップファシリテーター

本プログラムでは、まちの分散型ブックシェアリングサービス「めぐる星天文庫」や「YOKOHAMA CIRCULAR DESIGN MUSEUM」をはじめ、横浜市内で地域密着型の循環経済プロジェクトに取り組む「Circular Yokohama」メンバーがワークショップファシリテーターとして参加者の皆様のワークショップをナビゲートします。循環経済、サーキュラーデザインといった概念に馴染みがない方でも安心してご参加いただけます。

室井梨那(Circular Yokohama・ハーチ株式会社)

神奈川県横浜市出身。大学で英語教育学を専攻した後、アメリカにて就労。帰国後は、横浜のサーキュラーエコノミー推進プラットフォーム「Circular Yokohama」の立ち上げメンバーとしてハーチ株式会社に参画。海外事業開発や英語によるウェブメディア運営、サステナブル教育の支援等を行なっている。

丸山桃加(Circular Yokohama・ハーチ株式会社)

高校卒業後、デンマークのフォルケホイスコーレに留学し、パーマカルチャーの概念に出会う。大学では国際文化交流を学び、現在は「Circular Yokohama」で循環型経済の推進に向け活動している。動物と地層と空が好き。

講師兼プログラムコーディネーター

加藤 佑(ハーチ株式会社・代表取締役)

2015年にハーチ株式会社を創業。社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」、サーキュラーエコノミー専門メディア「Circular Economy Hub」、横浜のサーキュラーエコノミープラットフォーム「Circular Yokohama」など、サステナビリティ領域のデジタルメディアを運営するほか、企業・自治体・教育機関との連携によりサステナビリティ・サーキュラーエコノミー推進に従事。日経ビジネス「日本急成長企業2022」第5位にランクイン。2023年4月にB Corp認証を取得。英国ケンブリッジ大学サステナビリティ・リーダーシップ研究所Sustainable marketing, media and creative修了。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。東京大学教育学部卒。

お申し込み

講座への参加を希望される方は、こちらよりお申し込みください。

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Circular Yokohama」からの転載記事となります。