米国サーキュラーエコノミー専門の投資会社Closed Loop Partnersのサーキュラーエコノミーセンターはこのほど、同国の大手小売業者や環境団体とともに、レジ袋の再設計に取り組むコンソーシアム「Beyond the Bag イニシアティブ」を発足させた。レジ袋の持続可能かつ実現性の高い新たな解決策を募ったうえで、共同で試作を行い、米国内で流通させることを目的とする。
同コンソーシアムには、ウォルマートやターゲットが創設パートナーとして加盟し、食品小売リードパートナーとしてクローガー、支援パートナーとしてウォルグリーンが加盟している。また、環境アドバイザリーパートナーとして非営利環境団体コンサベーション・インターナショナルやオーシャン・コンサーバンシー、イノベーションパートナーとしてデザイン会社IDEOが加盟している。
加盟企業はいずれも小売業界に大きな影響を与える企業であり、サステナビリティやサーキュラーエコノミーへの取り組みを行っている。各社のミッションと同コンソーシアムの理念が一致したことが加盟の理由だ。コンソーシアムは3年間継続され、新たな小売業者の参加を歓迎している。
米国のある調査によると、使い捨てレジ袋は米国内で毎年1000億枚以上も使われており、そのうちリサイクルされるのは10%以下である。 そしてレジ袋の代替品はいまだに業界全体で支持されておらず、一般に幅広く使用されていないことが問題となっている。また、新型コロナ危機が社会の脆弱性を露わにしたことも課題に挙げられる。
コンソーシアムは現在、「イノベーションチャレンジ」を通して、革新的で持続可能なレジ袋の解決策のアイデアを世界中の企業やデザイナーから募集している。解決策は、環境負荷の低減と消費者の利便性が両立されていることが条件だ。募集は8月から開始されており、11月に優秀アイデアが発表される予定だ。最も優秀とされるアイデアには100万ドルの資金が贈られ、開発資金に充てられる。
日本でも7月からレジ袋の有料化が導入されたが、マイバッグの持参を忘れるなどした場合、使い捨てレジ袋を利用せざるを得ない状況だ。より持続可能な代替品の開発を目指す同コンソーシアムの動きに注目していく。
【参照サイト】Closed Loop Partners
【参照記事】Beyond the Bag イニシアティブ プレスリリース
【参照サイト】Reinventing the Retail Bag
【参考レポート】Reducing single-use plastic shopping bags in the USA