米国ニューヨークに本拠を置くエスティローダーカンパニーズ (ELC)は1月26日、ビジネスのあらゆる側面において国籍とサステナビリティを組み込むという会社の取り組みの一環として、同社のトラベルリテール事業における独自のサステナビリティに関する目標を発表した。空港・商業地区・機内・船内・国境にある店舗などの免税店をカバーするトラベルリテール部門は、同社における流通ルートの中で最も成長率の高い分野のひとつであり、年間10億人以上に利用されている。

ELC全社におけるサステナビリティ目標に準拠し、また業界でのニーズと潜在的な影響を考慮したうえで、トラベルリテール部門における二酸化炭素排出量・廃棄物・エネルギーをビジネスの主要な優先項目として特定。以下の目標が設定された。

二酸化炭素排出量

  • 2023年度末までに、トラベルリテール業者への商品の輸送に伴う二酸化炭素排出実質ゼロを達成する
  • 2023年会計年度末までに、全社・全世界におけるトラベルリテールのビジネスエアトラベルにおける二酸化炭素排出実質ゼロを達成する

包装

  • 2025年までに、トラベルリテール専用に使用するすべてのTravel Retail Exclusive紙製カートンを、FSC認証ボードに移行する
  • 2023年までに、トラベルリテール専用の外箱からプラスチックフィルムラップを排除し、プラスチックの使用量を減らす

店舗デザインと視覚的なマーチャンダイジング

  • すべてのブランドのトラベルリテールの新店舗のデザインと視覚的なマーチャンダイジングに、新しい素材の投入などによるサステナビリティ慣行を盛り込む

持続可能な施設運営

  • 2023年度末までに、すべてのトラベルリテール店舗においてサステナビリティ要素を盛り込む

ELCグローバルコーポレートシチズンシップ&持続可能性担当シニアバイスプレジデントでのNancy Mahon氏は、「当社の市民活動と持続可能性への取り組みは、ビジネスの長期的な成功は、バリューチェーン全体において持続可能な実践を行うと決断できるかどうかにかかっているとする私たちの信念を反映しています。当社のトラベルリテールチームが講じる野心的な施策により、私たちが持続可能性に関する目標に近づくだけでなく、トラベルリテール業界に影響を与え、より多くの選択肢を顧客に提供していきます」とその効果を確信する。

トラベルリテールのサステナビリティに関するイニシアチブを始めて以降、包装と店舗デザインの両方において進捗が報告されている。店舗デザインの例では、韓国ソウルにあるHyundai COEXに新しくオープンしたEstée Lauder・La Mer・MACのカウンターは、平均80%が再利用されたディスプレイ用備品で作られており、ブランドの資産価値を損なうことなく廃棄物と環境への影響を減らすことに成功している。

「ELCと傘下のブランドは、私たちが確実に価値観に根ざした企業であり続けるために努力を払ってきました。このビジョンを継続し、トラベルリテール分野をリードするべく必要な責任を果たし、従業員や顧客と共に前進していきます。これは、トラベルリテールにおける改革の最初のステップです。このようなステップを踏むことにより、ELCとトラベルリテールは、私たちのサービスを利用するすべての人に最高の価値を提供すると約束します」と、トラベルリテール&リテール開発グローバルプレジデントであるOlivier Bottrie氏は述べている。

旅行者にとってサステナビリティはますます重要な要素となっており、 Tax Free World Association(TFWA)による最近の調査では、70%以上の回答者が、旅行中に商品を購入する際にサステナビリティに関する認証の影響を受けるという結果が出ている。

【参照記事】The Estée Lauder Companies Announces Sustainability Goals for Travel Retail – The Estée Lauder Companies Inc. (elcompanies.com)