欧州議会は11月25日、再利用と修理を促進して、持続可能な消費者の選択を奨励する決議を採択したことを発表した。同議会は賛成395名、反対94名、棄権207名で同決議を採択した。

決議では、保証の延長、交換部品の保証の提供、修理やメンテナンスに関する情報へのアクセス改善など、修理をより魅力的で体系的かつ費用対効果の高いものにすることで、消費者に「修理する権利」を与えることを推進する。同決議が採択された背景には、EUの消費者の修理への需要が高まっていることがある。欧州市民の77%はデバイスを交換するよりも修理したいと考えており、79%はメーカーはデジタル機器の修理または個々の部品の交換を容易にすることを義務付けられるべきだと考えている(※)。同決議の重要項目は、以下のとおりである。

  • 持続可能な消費者の選択を奨励し、再利用を促進する
  • 中古品市場への支援を増やし、修理可能性を改善して、製品寿命をのばし、持続可能な生産を支援する
  • 電子廃棄物を削減するために、共通の充電器システムが必要であることを再び強調
  • 耐久性に応じて製品にラベルを付けることが望ましい。例)使用量メーターや、製品の推定寿命に関する明確な情報など
  • より持続可能な公共調達と責任あるマーケティング、広告を推進する。例えば、環境に配慮した広告が行われる場合、エコラベル認証を取得するのと同様に、この広告を裏付けるために共通の基準を適用する必要がある。さらに、エコラベルの役割を強化して、業界でのより多くの利用と消費者の意識向上を目指す

また、同決議では廃棄物管理と修理、再販と再利用を妨げる法的障害の除去に関する新しい規則を提案している。これは二次原材料市場にも利益をもたらす。

報告担当官のデイビッド・コルマンド氏は、「耐久性のある製品とサービスを設計によって促進する単一市場の基盤として、グリーンディールの目標を活用するときがきました。これを達成するには、消費者と企業の両方を混乱させるような政治的決断のない技術的修正ではなく、明確で決定を容易にする包括的な一連の規則が必要です。当決議を採択することにより、欧州議会は耐久性を示す統一ラベルの徹底と、EUレベルでの早期陳腐化への取り組みが、進むべき道であるという明確なメッセージを送りました」と述べている。

※)Eurobarometerの調査より

【プレスリリース】Parliament wants to grant EU consumers a “right to repair”