食品大手の米マースは11月2日、フィンランドの包装材大手Huhtamäkiとサウジアラビアの石油化学大手SABICと共同で、ペットフードの包装材に食品グレードの再生プラスチックを使用することを発表した。
マースは、2021年に人気のあるペットフードブランドの一部の主要包装に再生ポリプロピレンプラスチックを使用する。SABICが高度なリサイクルプロセスを使用して、従来のリサイクル方法では再生が困難な使用済み混合プラスチックを原料として新しいプラスチックを製造。マースは今年、欧州でこの新包装材の試験を行った。リサイクルされた材料は、国際持続可能性カーボン認証スキームであるISCC PLUS（Institute of Sustainability & Carbon Certification）に認証されており、品質と信頼性が保証されている。また、同再生プラスチックは焼却する代わりに再生されたポリマー1kgごとにCO2排出量2kgを削減する。同社は2021年までに再生プラスチックの使用量を増やし、2022年に他ブランドに拡大していく予定だ。
同社はすでに、10億ドル（約1,050億円）の拠出を発表している。また、2025年までに達成するべき目標として、以下の2つを掲げている。一つは、プラスチック包装における30%の再生材含有量の実現と新品プラスチック使用の25%削減、もう一つは再利用・リサイクル・堆肥化可能な包装を100%使用することだ。今回の同社の決定は、この2つの目標を達成するための重要な一歩になるとともに、循環型経済の構築に貢献すると考えている。
同社の調達・持続可能性の最高責任者であるバリー・パーキン氏は、「私たちは、陸と海に散乱しているプラスチック包装を防がなければなりません。当社は、この問題に対処していくことを約束します。それには、残った包装をサーキュラー型に再設計し、そして不要な包装を減らすことで、リサイクルシステムを拡大していかなくはなりません」と述べている。
