欧州の主要28都市は10月1日、循環型経済への移行を支援し共に行動していくことに合意し、欧州循環型都市宣言に署名した。同宣言は9月30日から10月2日まで開催された「持続可能な都市と町に関する第9回欧州会議『Mannheim2020』」で発表された。

署名した都市は、以下のとおりだ。

ティラナ(アルバニア)、ゲント・ルーヴェン・メッヘレン(ベルギー)、プラハ(チェコ)、コペンハーゲン・ホイェ タストルップ・ロスキレ(デンマーク)、ヘルシンキ、ラッペーンランタ・オウル・タンペレ・トゥルク(フィンランド)、グルノーブル(フランス)・フライブルク(ドイツ)、ブダペスト(ハンガリー)、フィレンツェ・プラート(イタリア)、ウイルツ(ルクセンブルク)、ギマランイス(ポルトガル)、ベルゲン・オスロ(ノルウェー)、リュブリャナ・マリボル(スロベニア)、セビリア(スペイン)、エスキルストゥーナ・マルメ・ウメオ(スウェーデン)

欧州循環型都市宣言は、欧州におけるリニア型経済から循環型経済への移行を加速し、資源効率を向上させて低炭素で責任のある社会を構築することを目的する。同宣言の内容は、以下のとおりだ。

  • 欧州の地方自治体が循環型経済移行への支援を宣言することを許可する
  • 循環型都市についての共通のビジョンを提供する
  • 循環型経済移行を実現するために地方政府が果たすべき重要な役割を明確にする
  • 経験・課題・成功を共有するためのネットワークを構築する

同宣言を発表したへルシンキの都市環境担当助役であるアニ・シンネマキ氏は、「ヘルシンキは循環型経済を促進する準備ができており、今後さらに進めていく予定です。私たちの宣言には、建設工事など都市にとって重要な分野が含まれています。移行を主導するには協力が不可欠であり、ヘルシンキは他の都市からさらに学ぶとともにヘルシンキの経験も共有していきたいと考えています」と述べている。

都市は、循環型経済への移行を導く大きな可能性を秘めたイノベーションと社会経済変革が生まれる場所である。地方自治体は都市部の多くの主要分野を管理しているため、循環型経済を促進してより持続可能でレジリエンスな社会への道を開くのに理想的な場所だ。欧州循環型都市宣言は、循環型都市の共通のビジョンを提供し、循環型都市に向けて団結して協力していくことに役立つ。同宣言はすべてのニーズを反映していることを保証しており、署名都市は欧州の各都市や地域に参加を呼びかけている。

なお、同宣言は、以下の欧州の組織によって作成された。

イクレイ(ICLEI)-持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会、Circular Flanders、CSCP(The Collaborating Centre on Sustainable Consumption and Production)、ECERA、欧州投資銀行(EIB)、エレン・ マッカーサー財団、 ユーロシティーズ、LWARB(London Waste and Recycling Board)、国連環境計画、WCYCLE Institute

【プレスリリース】Major Cities sign European Circular Cities Declaration and invite peers to join them
【参照サイト】The European Circular Cities Declaration