三菱ケミカルグループは8月22日、香川県坂出市の香川事業所でコークス炉による使用済みタイヤのケミカルリサイクルを検討していることを発表した。2025年度中に、使用済みタイヤを原料とした資源循環型カーボンブラックの販売を開始する予定である。

タイヤ業界ではサステナブルな原材料の需要が増加している。主原料の一つであり、ゴムの補強剤であるカーボンブラックについても、再生原料化の需要が高まっている。


三菱ケミカルグループは、同社のサプライチェーンを活用し、破砕した使用済みタイヤを原料としてコークス炉に投入し、タールからカーボンブラックを再生産するという世界初(当社)の試みを実施する。再生産されたカーボンブラックは通常品と同等の性能を持ち、再びタイヤに使用されることで、タイヤの水平リサイクルを促進する。

同社は、2024年7月から使用済みタイヤをコークス炉に投入する実証実験を実施。2025年度には年間数千トン、2030年度には年間数万トン規模での販売を目指している。

本取り組みにより、使用済みタイヤのケミカルリサイクル技術の確立と新たなリサイクルシステムの構築が進められ、自動車・タイヤ業界のサーキュラーエコノミー実現に寄与することが期待される。

【プレスリリース】コークス炉を活用した使用済みタイヤのケミカルリサイクルの事業化検討を開始~2025年度中に資源循環型カーボンブラックの販売開始を目指す~
【関連記事】三菱ケミカル、ポリカーボネート樹脂ケミカルリサイクル事業化に向け検討開始
【関連記事】三菱ケミカル・東京海上日動・ABT、使用済み自動車のアクリル樹脂回収スキームの実証を開始
【関連記事】三菱ケミカル、廃漁網を再利用した樹脂使用ナイロン糸を販売開始。安定供給・地産地消も可能
(※画像の出典:三菱ケミカルグループ)