生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行う株式会社ネオマーケティングは12月3日、エシカル商品を製造・販売している企業や、SDGs活動に積極的な企業に関する消費者の意識についての調査結果を発表した。同調査は11月6日から4日間、20歳~69歳の男女1,000人を対象にWEBアンケート方式で実施された。
主な質問と回答は、次のとおりである。
エシカル商品を製造・販売しているブランドや企業に対して、どのように思うか?
「好印象である」「やや好印象である」との回答が77.0%と、半数を大きく上回る結果となった。
SDGs活動に積極的なブランドや企業に対して、どのように思うか?
「好印象である」「やや好印象である」との回答が72.1%だった。その傾向は年代別に見ても変わらず、どの年代においても7割前後の人が好印象を抱くという結果であった。
同調査の質問と回答は、以下のとおりだ。
商品・サービスの購入を検討するとき、それがどのようにして作られたかといった背景を考えますか。(単数回答)【n=1000】
(出典:ネオマーケティング)
「考える」「たまに考える」との回答は43.9%で、4割以上となった。ネオマーケティングは、商品やサービス自体だけでなく、背景まで意識して購入する人が少なくないようだ、と分析している。
今までにあなたが購入したことがあるものを、以下の中からすべてお選びください。また、今後進んで購入してみたいと思うものをお選びください。(複数回答)【n=1000】
(出典:ネオマーケティング)
購入したことがあるものについては「リサイクル製品やリユース製品」、「エコマーク付き商品」が3割を超える結果となった。同社は、リサイクル製品やリユース製品・エコマーク付き商品は、市場に出回っている数も多いため、意識せずに購入している場合も多く、前問で商品・サービスが作られた背景を考える人が多かったことから、トレーサビリティが確保された商品への興味は今後増えていく可能性があると考えられる、と分析している。
以下の項目について、あなたご自身に当てはまるものをそれぞれお答えください。(単数回答)【n=1000】
(出典:ネオマーケティング)
「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した人が最も多かった選び方としては、「買う時に本当に必要かどうか考える」が82.3%で、8割以上という結果であった。これに次いで回答者が多かったのは「値段が高くても長く使えるものを選ぶ」で、58.4%となった。続いて「地域の商品・食材をすすんで購入している」が50.8%、「応援したいという気持ちで消費を行う」が47.5%と、50%前後であった。また「使ったあと、リサイクル・リユースできるものを選ぶ」が41.1%、「買うときに環境に配慮して作られた商品を選ぶ」が39.9%で、40%前後という結果となった。
同社はこの結果に対し、「半数を超える人が選択した『買うときに本当に必要かどうか考える』や『値段が高くても長く使えるものを選ぶ』は、『ゴミを不必要に増やさない』というリデュースに直結する行動であるが、『無駄なお金を使わない』という節制的な面も持つため、『節約』と結び付けて多くの人が実践しやすかったのではないか」と考えている。
あなたは、「エシカル消費」を知っていますか。(単数回答)【n=1000】
(出典:ネオマーケティング)
「知っている」「内容までは知らないが、聞いたことはある」と回答した人は31.2%にとどまった。年代別にみると、「知っている」と回答した人は30代以降は年代が上がるにつれてやや低下している。
「エシカル消費」について、あなたご自身に当てはまるものをお答えください。(単数回答)【n=1000】
(出典:ネオマーケティング)
「実施している」「たまに実施している」という回答のなかで、「必要な食品を必要なときに必要な分だけ購入」が48.8%、「食材廃棄を抑える消費の仕方」が44.5%と高く、次いで「地元の店や商店街で買い物をする」「地産地消」、さらに「エコ商品やリサイクル商品などの購入」「使ったあとのごみが少ない商品の購入」が続く結果となった。同社は、「最も多かった回答の『必要な食品を必要なときに必要な分だけ購入』や、次いで多かった『食材廃棄を抑える消費』は、食べ残しをしない・食品の期限切れを起こさないことなどにつながる。これらの行動も『無駄なお金を使わない』という節制的な面も持つため、『節約』と結び付けて多くの人が実践しやすいということが考えられる」と分析している。
エシカル商品を製造・販売しているブランドや企業に対して、どのように思いますか。(単数回答)【n=1000】
(出典:ネオマーケティング)
「好印象である」「やや好印象である」との回答は77.0%だったが、年代が上がるにつれて「エシカル消費」の認知が下がっていた。しかしその一方で、エシカル商品を扱うブランドや企業に好印象を持つ人は7~8割もいるため、より認知されるようになればさらに好印象を持つ人が増えることが期待できる、と同社は考察している。
お勤め先、またはお勤め先の親会社が上場しているとお答えの方にお伺いします。あなたのお勤め先、またはお勤め先の親会社はSDGs活動を行っていますか。(単数回答)【n=104】
(出典:ネオマーケティング)
「行っている」「内容まで詳しくは知らないが、行っている」との回答は77.0%に上った。同社は、上場企業におけるSDGs活動の実施率は高いといえる、と評価している。
SDGs活動に積極的なブランドや企業に対して、どのように思いますか。(単数回答)【n=1000】
(出典:ネオマーケティング)
「好印象である」「やや好印象である」との回答は72.1%であった。年代別では、「好印象である」「やや好印象である」と回答した人は30代以降、年代が上がるにつれてやや上昇する結果となり、60代では78.0%に上っている。同社はこの結果について、「エシカル消費に関する結果と同様、SDGs活動に積極的な企業に対して好印象を抱いている人が多いとみられる。どの年代においても7割前後の人が好印象を抱いていることから、ブランドや企業はターゲットとなる年代にかかわらず、環境や貧困などの国際的な問題への取り組みを重要視するべきではないだろうか」と考えている。