西日本電信電話株式会社(NTT西日本)とNTTビジネスソリューションズ株式会社(NTTBS)は5月21日、地域の有機廃棄物を新たな資源に変換し循環させるための共創パートナーの募集を開始した。この取り組みは、NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」の事業共創プログラム『Business Match-up! For Next Value』の第6回として実施される。目的は、地域の食品廃棄物のみならず、汚泥やもみ殻といった多様な有機廃棄物を価値ある資源へと転換させ、地域経済の活性化と持続可能な循環型社会を実現することだ。

本プログラムでは、NTTBSが展開する「地域食品資源循環ソリューション」やNTT西日本グループが持つ様々なアセットと、応募企業の革新的な製品やサービスを組み合わせた事業共創を目指す。募集テーマは二つ設定された。一つは、NTTBSが食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」で生成する野菜や果物の一次発酵物を活用し、堆肥以外の新たな価値、例えば機能性飼料やエネルギーなどに変換する技術やサービス。もう一つは、地域で活用されていない汚泥、酒粕、肉、魚、もみ殻、麦などの有機廃棄物を新たな資源に変換し活用する技術やサービスだ。

応募期間は5月21日から6月23日まで。書類選考を経て選ばれた企業(5社予定)は、8月5日に開催されるピッチ大会に参加する。採択されたパートナー企業に対しては、実証実験の予算などを必要に応じてNTTBSが負担し、さらに企業の要望に応じてNTTグループのコーポレートベンチャーキャピタルである株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ(NDV)が出資を検討する。

NTT西日本グループは、活用可能なアセットとして、年間約1万トン生成される一次発酵物、全国数十拠点のリサイクルセンターとそのノウハウ、全国の食品関連事業者や自治体との顧客接点や営業チャネル、そして西日本エリアを中心とした不動産アセットなどを提示している。選考では、共創による社会課題解決への貢献度(ソーシャルインパクト)、事業共創実現に向けた計画の具体性(実現可能性)、市場での優位性などが重視される。

このプログラムを通じて、NTT西日本グループは外部の知見や技術を取り込み、有機廃棄物の資源化を推進することで、サーキュラーエコノミーの実現に貢献する構えだ。

【プレスリリース】地域の有機廃棄物を新たな資源に変換する共創パートナーを募集!
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