脱炭素に資するB2B(企業向け)SaaSプラットフォームを開発する英Neutreenoはこのほど、シード期(創業前または創業後間もない企業が行う資金調達)に500万ドル(約75億円)を調達した。
今回の投資ラウンドは、米ベンチャーキャピタルのRegeneration.VCが主導。サーキュラーエコノミーを対象とする米投資会社クローズド・ループ・パートナーズや、スウェーデン商用車大手スカニアのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるスカニア・インベストなども参加した。Neutreenoが発表した概要は、下記のとおり。
Neutreenoは、ケンブリッジ大学からスピンアウトしたディープテック分野のスタートアップ企業だ。創業者のスペンサー・ブレナン博士は、20年以上にわたりサプライチェーンにおけるサーキュラリティと資源効率の概念を開拓し、国際的な気候政策に貢献してきた科学者チームを結成した。
Neutreenoは独自のプロセスネットワークとエンジニアリングモデルを活用し、排出源を特定して排除する。炭素会計のみならず、スコープ3排出量の脱炭素化に向けて行動する先進企業と提携する。
企業は平均的にバリューチェーン(スコープ3)が排出量の90%以上を占めており、2030年までに排出削減ペースを倍増させない限り、93%の企業がネットゼロを達成できない。これは、バリューチェーンに関連した一次データの不足、サプライヤーに影響を与えられないこと、脱炭素化のコストが高いことなどにより、課題となっている。
Neutreenoの独自プロセスネットワークは物質とエネルギーの流れの研究に基づいており、サプライヤーは一次データを収集する負担を大幅に軽減できる。企業は既存ツールよりも迅速かつ正確に、製品ライン全体およびサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を測定できる。
使いやすく手頃な価格のデジタルシステムは、1000社を超えるサプライヤーの排出量とコストを削減するソリューションを自動的に特定する。たとえば、わずか4週間で、あるサプライヤーのスコープ1~3にわたる排出量削減の可能性を35%とし、新製品の設計・調達変更・大幅な排出量削減につながる行動を自動的に特定した。
Neutreenoの顧客はアジア・欧州・北米に広がり、さまざまな業界のS&P 500およびFTSE 250を構成する企業と幅広い中小企業が含まれる。
【プレスリリース】Cambridge Scientists Secure $5M from Leading Global Venture Capital Funds and Corporations to Transform Scope 3 Decarbonization
*冒頭の画像の出典:PR Newswire
※本記事は、ハーチ株式会社が運営する金融投資メディア「HEDGE GUIDE」の「ケンブリッジ大学発SaaSプラットフォームNutreeno、シード期に75億円調達。スコープ3の脱炭素化支援」の転載記事です(一部表現を改変しています)。