リバースロジスティクス関連ソリューションを提供するOnePakは7月31日、米国教職員退職年金保険組合(TIAA)の運用部門ヌビーンから2000万ドル(約29億円)を調達したと発表した。

調達した資金を元手に、OnePakが開発したリバースロジスティクスプラットフォーム「ReturnCenter」の機能とリーチを拡大し、電子廃棄物の循環利用を進める。

ヌビーンのプライベート・エクイティ・インパクト・チームが投資する。これは、ヌビーン・クライメート・インクルージョン・ファンドⅡの第1号案件となる。低炭素でサーキュラーエコノミーを実現したインクルーシブな経済への移行を推進するという同社の目標に沿ったものだ。

OnePakはReturnCenterを通じて、ITユーザーやあらゆる規模の組織に対し、IT機器の返却・リサイクル・再販・移転のためのターンキーソリューションを提供している。

同プラットフォームにより、OEM(相手先ブランドによる生産)・リース会社・再販業者・リサイクル業者は、企業や消費者からの使用済み電子機器の移動、再配置、データ破壊、廃棄、エンドツーエンドのチェーン・オブ・カストディ(#1)をシームレスに管理できる。

OnePakのスティーブ・アンドン創業者兼最高経営責任者(CEO)は「弊社のプラットフォームで広範なロジスティクスパートナーのエコシステムを活用し、デバイスのリユースや適切な使用済み処理の妨げとなる課題に対処します。ヌビーンと提携し、ReturnCenterの機能とリーチを発展させ、巨大なグローバル市場の需要に応えていきます」と述べた。

OnePakは創業以来、20万以上の顧客に代わって20億ポンド超のデバイスの返却を支援してきた。デル・テクノロジーズ、IBM、ユナイテッド・テクノロジーズ、米キャリア、ゼネラルモーターズ、トヨタ自動車などグローバルな顧客を有する。

OnePakは米国で最も急成長中の非公開企業のリストInc 5000に3度選出されたほか、物流のサステナビリティにおける顕著な功績に対してInbound Logistics G75を2度受賞した。最近では、RemoteTech Breakthrough Awardsの2024 IT Asset Management Solution of the Yearを受賞している。

ヌビーンはインパクト投資のパイオニアだ。社会が抱える最も差し迫った問題に対し、優れた財務的リターンとポジティブインパクトをもたらしてきた実績を持つ。

同社のプライベート・エクイティ・インパクト・チームは、低炭素でインクルーシブな経済への移行を推進することを目指す。廃棄物や排出物を削減し、資源を循環利用し、十分なサービスを受けていない消費者のために基本的な製品やサービスの利用を拡大し、そのコストを削減するディスラプティブ(破壊的)なビジネスを投資対象とする。

ヌビーンは1980年代に最初のインパクト投資を行い、現在は11億ドル以上のプライベート・エクイティ・インパクト向けの資金を運用している。

#1 チェーン・オブ・カストディ:証拠の保管場所、管理状況、移動などに関する記録

【参照記事】Onepak Secures Investment from Nuveen to Facilitate E-Waste Circularity

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する金融投資メディア「HEDGE GUIDE」の「OnePak、ヌビーンから29億円調達。リバースロジスティクスプラットフォームの機能とリーチ拡大目指す」の転載記事です(一部表現を改変しています)。