三井住友信託銀行は12月12日、Webメディア運営・サステナビリティ支援を手がけるハーチと共同で、自治体主導による地域循環型社会の推進を目的とした「サーキュラーシティ移行指標」を開発し、全国の自治体を対象としたダッシュボードを公開した。今回の取り組みは概念実証(PoC)として位置付けられている。

サーキュラーエコノミーは、資源制約や環境制約に対応しながら持続可能な成長を実現するための国家的なテーマとされており、とりわけ地域単位での循環や地域活性化は重要な論点となっている。三井住友信託銀行は昨年10月に「サーキュラーシティ移行ガイド」を公表しており、今回の指標はその実践段階を支える発展的な取り組みとなる。

新たに開発された移行指標では、生成AIを活用し、全国1700以上の自治体についてデータを収集・整理した。従来から用いられてきたリサイクル率や地域経済循環率といった既存指標に加え、これまで体系化が難しかった自治体の戦略の有無や地域活動の状況なども可視化している。自治体の取り組みが比較的短期間で指標に反映される仕組みとすることで、施策の検討や見直しに向けたPDCAサイクルを迅速かつ実効的に回すことを可能にする。

指標は、自治体としての政策推進状況を示す「Strategy」、地域の主要なステークホルダーによる循環経済関連の活動状況を捉える「Action」、それらの結果として地域内に生まれている成果を示す「Impact」の3つの観点で構成されている。ランキングを目的としたものではなく、各自治体が自らの現状を客観的かつ定量的に把握し、次のアクションにつなげるためのツールとして設計されている点が特徴だ。

ダッシュボードは専用サイトで公開されており、今後は自治体や企業、行政機関などとの議論を重ねながら、より実効性の高い指標体系へとアップデートしていく方針としている。

【プレスリリース】サーキュラーシティ移行指標を開発しダッシュボードを公開 ~自治体主導の地域循環型社会の推進に向けた PoC として~
【参照記事】サーキュラーシティ移行指標 ダッシュボード