政府は8月2日、第五次循環型社会形成推進基本計画を閣議決定した。国家戦略として位置づけられた同計画は、循環経済への移行を前面に打ち出す。
内容は、(1)我が国の現状・課題と、解決に向けた道筋(循環経済先進国としての国家戦略)、(2)循環型社会形成に向けた取組の中長期的な方向性、(3)目指すべき循環型社会の将来像、(4)各主体の連携と役割、(5)国の取組、(6)循環型社会形成のための指標及び数値目標、(7)計画の効果的実施で構成。
なお、同計画は下記5つの重点分野を特定した。
- 循環型社会形成に向けた循環経済への移行による持続可能な地域と社会づくり
- 資源循環のための事業者間連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環
- 多種多様な地域の循環システムの構築と地方創生の実現
- 資源循環・廃棄物管理基盤の強靱化と着実な適正処理・環境再生の実行
- 適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進
目指す指標については、以下のように設定。(目標年:2030年度)
- 資源生産性:約60万円/トン
- 一人当たり天然資源消費量:約11トン/人・年
- 再生可能資源及び循環資源の投入割合:約34%
- 入口側の循環利用率:約19%
- 出口側の循環利用率:約44%
- 最終処分量:約1,100万トン/年
- 1日1人あたりのごみ焼却量:約580g
その他、循環経済への移行に関わる部門等由来の温室効果ガス排出量やカーボンフットプリントを除いたエコロジカル・フットプリントなどを新たな取組指標とした。
個別分野として、家庭由来の衣料廃棄物量について、2030年度までに25%削減(2020年度比)を目指すこと*¹やE-scrapのリサイクル処理量を2030年までに約50万トン(2020年比50%増)に増加*²を目指すことなども明記した。
*1: 繊維製品における資源循環ロードマップ記載
Circular Economy Hub Editorial Team
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