英国グリーンビルディング評議会(UKGBC)は4月15日、建築業界向けにサーキュラーエコノミーの原則を適用したプロジェクトを推進するための「再利用」と「製品のサービス化」に関する2つのレポートを発行した。

両レポートは、UKGBCが2019年4月に発表したガイドライン「UKGBC Circular economy guidance for construction clients: How to practically apply circular economy principles at the project brief stage」への具体策を示したものとして位置づけられている。

建築廃棄物の削減と環境負荷の軽減に向けた対策を網羅

再利用

このうち「再利用」についてのレポートは、施工主やデザイナー、プロジェクトマネジャーや他のステークホルダーに対して、建築廃棄物の削減と環境負荷の軽減につながるサプライチェーンの構築を支援するもので、以下2つのパートで構成されている。

「Circular Economy How-to Guide: Reusing products and materials in built assets(サーキュラーエコノミーの手引き−建築資産における製品と材料の再利用)」

再利用を進める3つの観点(製品や材料の在庫管理方法、製品や材料を他のプロジェクトから転用する際の方法、他のプロジェクトで再利用を推進するための方法)を示している。

「The why and what of reuse(再利用の目的と方法)」

プロジェクトチームが建築に際して再利用を織り込むことや、サステナブルなデザインにおいてなぜ循環させることが重要なのかについて書かれている。再利用とイノベーションを進める方法についても具体的に示されている。

製品のサービス化

「製品のサービス化」のレポートは、建築プロジェクトに新たな形での製品提供のあり方を適用するための手引きを提供するもので、以下2つのパートで構成されている。

「The Circular Economy How-to Guide: Implementing Light as a Service (LaaS) in built assets(サーキュラーエコノミーの手引き−建築資産における照明のサービス化の適用)」

照明をサービスと位置付ける(LaaS)に当たってのプロセスと役割、責任をプロジェクトチームが織り込むことを支援する手引きとなっている。

「The why and what of Products as a Service(製品のサービス化の目的と方法)」

製品よりもサービスを買うことでもたらされる価値を具現化するために、製品のサービス化の導入を考えているプロジェクトチームを支援する内容。製品のサービス化とイノベーションを進める方法についても具体的に示されている。

さらに、両レポートに共通する「Circular Economy Innovation Insights(サーキュラーエコノミーがもたらすイノベーションについての洞察)」では、再利用や製品のサービス化を進めている組織やイニシアチブの事例が提供されている。

各レポートは、以下のサイトからダウンロードできる。

【参照サイト】Circular Economy Implementation Packs for Reuse and Products as a Service