和歌山県は6月3日、家庭用の使用済み植物性食用油(使用済み天ぷら油)の回収とアンケート調査に協力できる消費者モニターの募集を開始した。使用済み天ぷら油を回収し、CO2削減効果の高い燃料などへ利活用する仕組みの構築を目指し、県が主体となって実証事業を行う。
募集者数の上限は3,000名程度。和歌山市、海南市、有田市内の30カ所以上に設置された回収拠点に使用済み天ぷら油を持参できる方。3市内に居住している必要はなく、持参の頻度も問わないという。募集期間は2026年3月31日まで。
同県はサーキュラーエコノミーの考えを取り入れ、地域の特性を踏まえた産業創出や広域的な資源循環ネットワークの構築を目指し、2023年10月に「わかやま資源自律経済ビジョン」を策定。使用済み天ぷら油の回収と利活用を、同ビジョンの実現に向けた取り組みの第一弾として位置づける。
登録には、指定のWebフォームに必要事項の入力が必要。専用のリターナブルボトル(無料)を回収拠点で受け取り、使用済み天ぷら油を専用ボトルに入れ、回収拠点に持参する。回収開始日は7月1日。
回収対象は植物性食用油で、対象外となるのは動物性油脂、マヨネーズ、ドレッシング、エンジンオイルなどの鉱物油、飲食店など事業者から出る油だ。
実証中に回収した使用済み天ぷら油から、バイオディーゼルを精製し、収集・運搬車両や万博建設工事の建機などに活用する計画だ。
【プレスリリース】家庭用使用済み天ぷら油回収実証事業に係るモニター募集要領
【参照記事】家庭用使用済み天ぷら油回収実証事業
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