ユニリーバとアリババグループは共同事業「ウェイストフリ―ワールド(ごみのない世界)」を立ち上げ、AI(人工知能)を搭載した自動分別機器を開発した。同機器は、プラスチック容器包装の種別を自動的に特定・分別する。中国の杭州と上海のオフィスやコミュニティに試験的に20台が導入された。

顧客はアリババのキャッシュレスサービスであるアリペイを使って、機器の画面に表示されたQRコードをスキャンし、プラスチックボトルを返却。その後、機器がAI技術によって自動的にプラスチックボトルを分別する。分別されたプラスチックボトルは、リサイクルセンターにて再生される。

消費者はボトルを投入することで、ユニリーバのクーポンとアリペイのグリーンエネルギーポイントを獲得できる。グリーンエネルギーポイントは消費者の低炭素活動に対して付与されるもので、消費者はこのポイントを集めて植林や保全地域の保護に使う。このアリペイのAnt Forest事業は2016年に開始されて以来、NGOを通じて中国国内で2億本を植林したという。

アリババグループの副社長Jet Jing氏は、「ユニリーバを支援し、購買・利用・リサイクル・再購入を含めたクローズドループシナリオを形成できれば、アリペイのユーザーによる責任ある消費を促進することができる」と話した。

ユニリーバ 北アジアサプライチェーン副社長Jennifer Han氏は、「プラスチック容器包装を等級別に事前選別する性能は、再生プラスチックボトルの品質を高めるだろう。これは、プラスチック原材料の再利用をより効果的にさせ、循環型経済への貢献につながるものになる」と述べた。

北米ユニリーバの上級副社長Rohit Jawa氏は、「プラスチック自体には役割があるものの、環境を汚染するものであってはならない。ユニリーバは、2025年までにプラスチック絶対使用量を10万トン削減し、再生プラ利用を促進する計画を進めている。容器包装に用いるバージンプラスチックを半減させ、プラスチック容器包装の販売量以上に回収・再生をすることを目指している。今回の共同事業はプラスチックの循環型経済を促進する『グリーンエンジン』となり、中国において重要な役割を担うだろう」と述べた。

【プレスリリース】AI-enabled sorting machines keep plastic in circular economy
【参考】プラスチックへの取り組み

冒頭写真出典:Unilever