群馬県は3月31日、「群馬県農業農村振興計画2021-2025」の令和7年度計画を公表し、環境負荷低減と資源循環型農業への転換を掲げた。計画では、循環経済の実現に向けた農業施策として、地域内資源の循環利用や肥料・飼料の国産化、有機農業の拡大と生活者理解の促進など、多面的な取組を打ち出している。
群馬県では良質な堆肥の活用などによって地域資源の循環を図っており、環境負荷の低減と生産コストの抑制、新たな付加価値の創出に結びつく持続可能な農業の確立を目指している。その一環として、耕畜連携による堆肥・飼料の生産拡大や流通の仕組みづくりを通し、堆肥の広域流通と国産飼料作物の生産拡大に取り組む方針だ。
また持続的な農業の担い手育成のため、農林大学校における有機農業教育の強化を進め、環境負荷低減と資源循環型農業に必要な機械導入や施設整備への補助を計画。技術開発では、スマート農業や再生可能エネルギーの導入による省力・省コストの生産体系の確立が挙げられている。
生活者へのアプローチに関しては、有機農業体験やオーガニック給食、マルシェの開催を通じて理解を促す方針。また販路拡大については、都市部とのマッチングによる販路開拓を狙う。都内店舗での特設コーナー設置やインバウンド向け商品の開発、物流の共同化も計画に盛り込まれた。
同計画は、県が進める地域経済強化と脱炭素・循環経済戦略の一環であり、農業を軸とした地域の持続可能性を重視している。スタートアップとの連携や農地の最適利用、高収益作物の導入なども通じ、構造的な農業改革を伴う計画となっている。
【プレスリリース】群馬県農業農村振興計画2021-2025 年度別計画(令和7年度)
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