ドイツの自動車大手 BMW Group は、車両リサイクルと解体を担うリサイクル・解体拠点(Recycling and Dismantling Centre、RDC)を拡張し、車両リサイクルの技術開発拠点をドイツ・ヴァッカースドルフに設立すると発表した。稼働開始は2029年初頭を予定している。
今回の取り組みでは、これまでミュンヘン近郊のウンターシュライスハイムにあったRDCを移転・拡張し、最先端技術を備えた循環型拠点へと進化させる。車両解体や材料回収に関する知見を高度化し、資源効率の向上や技術開発を加速させる狙いだ。
RDCは30年以上にわたり、部品のリサイクル性向上や材料回収技術の開発・実証を進めてきた。そこで得られた知見は、循環を前提とした設計の考え方として製品開発にも反映されている。また、同社はリサイクル企業 PreZero との連携を通じて、使用済み車両(ELV)のリサイクル分野における事業機会の拡大も図っている。
さらに、RDCが構築したリサイクルデータベースは、32カ国・約3,000社が活用しており、効率的な解体手法や資源回収のノウハウ共有に寄与している。
新たな拠点では、車両リサイクルとプロセス・材料・技術開発の統合を一層強化する。水素車のリサイクル対応、解体工程の自動化、シュレッダーや選別技術の高度化などが新たな重点領域となる。
ヴァッカースドルフ工場は、コックピット生産や英高級車ブランド「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」向け部品製造、海外工場への部品供給、バッテリー試験など多様な機能を有しており、BMWの生産ネットワークの中核拠点の一つとされる。今回の新拠点設立により、同地域における循環型ビジネスの基盤強化と雇用・産業への波及効果も期待されている。今後、施設の詳細設計を進め、現行のRDCは移転完了まで稼働を続ける予定だ。
自動車業界では、資源制約や電動化の進展を背景に、車両の解体・再資源化を起点とした循環型の取り組みが加速している。例えば、仏 Renault は修理・再製造・リサイクルを一体化した拠点「Refactory」を展開し、独 Volkswagen はEV用バッテリーのリサイクル体制の構築を進めている。こうした中、BMW Group の今回の取り組みは、車両解体と技術開発を同一拠点で統合する点に特徴があり、循環型の設計や資源活用を前提としたものづくりへの転換を一段と押し進める動きといえる。
【プレスリリース】BMW Group builds new Competence Centre Circularity at Wackersdorf site
【関連ページ】BMWとCATL、バッテリーパスポートで協力強化。電池データ管理の国際標準化を後押し
【関連ページ】BMWとPreZero、欧州自動車向け循環型モデル構築で提携。素材の流れを管理する新たな仕組みづくり構築へ
【関連記事】BMW、バッテリー原材料を直接再利用。新リサイクル拠点が独バイエルンで稼働開始
【関連記事】BMWグループ、年間12トンの3Dプリンター廃棄粉末をリサイクル。生産補助具として再利用





