農林水産省は5月13日、食品関連事業者による持続可能な取り組みを後押しする「食料システム法計画認定制度」において、認定事業者が広報や販売活動に活用できる認定マークを作成したと発表した。昨年10月から始まった同制度の認知拡大や、持続可能な取り組みの可視化につなげる狙いがある。

同制度は、「食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律」(通称:食料システム法)に基づく認定制度。食品製造業者や卸売業者、小売業者、外食事業者などによる、持続可能な食料供給に資する取り組みを推進するための制度だ。

食料システム法は、原材料費や物流費、人件費の上昇に加え、食品ロス削減や脱炭素対応などへの要請が高まる中、食料システム全体で持続可能な供給体制の構築と取引の適正化を進めるために制定された。

認定対象となる事業活動は、以下の4種類。

  • 安定取引関係確立事業活動
    農林漁業者との安定的な取引関係の構築を図る取り組み
  • 流通合理化事業活動
    食品等の流通合理化により、物流効率化や流通経費削減、付加価値向上などを図る取り組み
  • 環境負荷低減事業活動
    温室効果ガス排出量の削減や食品廃棄物の発生抑制などを図る取り組み
  • 消費者選択支援事業活動
    食品の持続的供給に関する情報発信や、消費者の理解醸成を図る取り組み

今回作成された認定マークも、これら4種類の事業活動ごとに用意された。認定を受けた事業者は、広報活動や認定計画に基づく商品・サービスのPRなどに活用できる。国の認定制度に基づくマークとして、事業者が自社の取り組みを対外的に訴求しやすくなるほか、消費者や取引先にとっても、持続可能性に配慮した取り組みを識別する一つの目安となる可能性がある。企業による環境訴求への関心が高まる中、第三者認定に基づく可視化の仕組みとして、グリーンウォッシュ懸念を抑えた情報発信につながるかも注目される。

同省によると、制度開始から2026年4月末までに計58件の事業活動が認定されている。

環境負荷低減事業活動では、株式会社マルマサフードが、カット野菜工場で発生する食品残渣を活用したバイオマス発電設備の導入を計画。食品残渣の処理時に発生する温室効果ガス(CO2)の排出量を令和11年度までに9割以上削減することを目指しており、食品廃棄物の有効活用と脱炭素を組み合わせた資源循環の取り組みの一例といえる。

また、消費者選択支援事業活動では、味の素冷凍食品株式会社が、「環境への配慮」に関する取り組みを統一コンセプトのもとで発信し、オウンドメディアや教育機関との連携を通じて消費者向け情報発信を進める計画が認定された。環境配慮型の商品や行動への理解・共感を促し、持続可能な消費や行動変容を後押しする取り組みとして、循環型社会への意識醸成にもつながる可能性がある。

認定事業者は、日本政策金融公庫による長期低利融資や、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の設備等の供用、食料システム機構(食品等持続的供給推進機構)による債務保証などの支援措置を利用できるほか、各種予算事業での優遇措置も受けられる。

脱炭素や食品ロス削減、持続可能な調達などへの対応が求められる中、行政による認定制度や可視化の仕組みが、事業者の取り組み促進や消費者への訴求強化につながるかが注目される。

【プレスリリース】食料システム法計画認定制度の認定マークを作成
【参照記事】安定取引関係確立事業活動計画等の認定状況について 認定計画一覧
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