環境省は、令和8年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業の公募を行い、8件の事業を採択したことを6月25日に明らかにした。
同事業は、プラスチック資源循環戦略に基づき、使い捨てプラスチックの排出抑制や環境に配慮した製品設計、使用済みプラスチックのリサイクル、バイオマスプラスチックの導入拡大を目的としたものである。先進的な取り組みを行う事業者や地方公共団体等を対象に、令和8年4月14日から同年5月18日までの期間、公募が実施された。
背景には、海洋プラスチックごみ問題や気候変動問題、諸外国における廃棄物輸入規制の強化といった国際的な動きがある。政府は2019年に策定した「プラスチック資源循環戦略」において、2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制することなどを目標に掲げており、今回の支援事業もこうした戦略目標の達成に向けた取り組みの一環と位置づけられる。なお、同様の支援事業はここ数年継続的に実施されており、令和7年度も8件が採択されている。
代表的な事例として、以下の取り組みが挙げられる。
株式会社カインズは、掛川市と連携し、ホームセンター店舗で回収する大型製品プラスチックについて、AIによる判定システムと無人受付システムを導入する取り組みを進める。回収物の量・質・価格のバランスが取れた再生プラスチックの回収モデルの構築を目指す。
資源循環システムズ株式会社は、建設現場から出るプラスチック廃棄物(建廃プラ)を対象に、AIを活用した分別支援や再資源化工程での品質管理、再生材の利用先確保までを一貫して実証する。建設系廃プラスチックのマテリアルリサイクル(廃棄物を新たな原材料として再生する手法)率の向上と、環境負荷の低減を両立する標準モデルの確立を図る。
清水建設株式会社は、建設現場ごとに異なる廃プラスチックの分別状況に応じて、高品質なペレット(樹脂の粒状原料)を製造できる再資源化施設の実証を行う。製造したペレットについては、複数の再生材利用企業や製品メーカーによる材料評価も実施し、建設業界でのマテリアルリサイクル推進につなげる考えだ。
このほか、残る5件についても、家庭系ごみ袋への再生材活用や住民向けアプリを使った分別精度向上、減容プラスチックボトルの自主回収など、幅広い分野での実証事業が採択されている。
建設現場のプラスチック廃棄物や、大型製品プラスチックのように従来は分別・回収が難しかった品目を対象とした実証が含まれており、今後、各事業の実証結果がどのように社会実装へとつながっていくか注目される。
【参照記事】令和8年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業の公募採択事業について
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