大林組とAGCは8月19日、大林組が請け負う解体工事で発生する廃棄窓ガラスを、AGCの建築用フロート板ガラス(溶融ガラスを溶けた錫の上に浮かべて連続成形する製法でつくる板ガラス)の原料の一部として再生する水平リサイクルのフローを構築したと発表した。適用第一弾として、三菱UFJ銀行本館の解体工事で発生した廃棄窓ガラスをリサイクル工程に供給しており、こうした事例はAGCの2026年5月時点の調査で国内初という。

背景として、建設業界では建物のライフサイクル全体で発生するCO2排出量の削減が課題となっている。中でも資材の製造・調達・輸送や施工段階で生じるCO2排出量は建設会社による削減余地が大きく、リユース材やリサイクル材の採用が重要とされる。大林組はこれまでも鉄骨部材の建物間リユース(2024年6月)、鉄スクラップ(2024年11月)、アルミスクラップ(2025年12月)の水平リサイクルフローを順次構築しており、今回のガラスはその延長にある取り組みとなる。

AGCは自治体や民間企業と連携し、解体現場発生の廃棄窓ガラスの回収から中間処理、再生原料(カレット)供給までの一連の仕組みづくりを進めている。三菱UFJ銀行は、2030年10月竣工予定の本館新築に向けて2025年2月から本館解体工事に着手しており、環境負荷低減に資する取り組みへの賛同として今回廃棄窓ガラスを提供した。

三菱UFJ銀行本館の解体工事では、回収した廃棄窓ガラスを中間処理業者がカレットに加工したうえでAGC鹿島工場に搬入し、板ガラスに再生する。同工事ではグラスウール再生分を含め149トンの廃棄窓ガラスをリサイクルし、うち81トンを板ガラスへ水平リサイクル、板硝子協会の試算をもとに49トンのCO2排出削減効果を見込む。従来のガラスリサイクルは型板ガラスや網入りガラスへの再生が中心だったが、今回は汎用性の高い透明フロートガラスの原料として活用することで、建築用板ガラス全体への展開を可能にした。

国内で建築物から発生する廃棄窓ガラスは年間50万トン以上とされるが、その大半は埋め立て処分や、元の製品より品質の低い製品への再利用にとどまってきた。AGCは2025年3月、オリックスグループ・TREガラスと集合住宅の改修工事で発生する窓ガラスの水平リサイクル事業のスキームを構築、2026年4月には大成建設と大規模改修工事における同一建物内での窓ガラス水平リサイクルを実現しており、業界内でも板ガラスの水平リサイクルへの取り組みが始まっている。今回の大林組との取り組みは、解体現場で発生した廃棄窓ガラスを他の建設現場向けのフロート板ガラス原料として活用する点で、これらとは異なる適用範囲での事例となる。

大林組とAGCは今後、構築したフローの継続運用と適用範囲の拡大を通じて、建設資材の循環利用をさらに推進する方針だ。

【プレスリリース】国内初、建物解体現場の廃棄窓ガラスをフロート板ガラスの原料に活用
【参照記事】オリックスグループとAGC、国内初 窓ガラスの水平リサイクル事業のスキームを構築
【参照記事】国内初 同一建物で窓ガラスの水平リサイクルを実現-窓から窓へ、改修工事で発生した廃板ガラスを再資源化-
【参照記事】板ガラスリサイクルビジョン~ファーストビジョン2025~
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※冒頭、文中の画像はプレスリリースより引用
※冒頭の画像は【三菱UFJ銀行本館解体工事における廃棄窓ガラスの回収工程】