循環型都市宣言はこのほど、欧州40都市に焦点を当て、都市の循環移行状況をまとめたレポートを発表した。

同宣言は、欧州におけるサーキュラーエコノミーへの移行を加速し、資源効率を向上させて低炭素で責任ある社会を構築することを目的とする。

2021年11月から2022年1月の間、署名都市はサーキュラーエコノミーを推進する活動・戦略・行動についての現状と、将来の行動計画や課題などに関する情報を提供した。レポートは、欧州の地域レベルにおけるサーキュラーエコノミー移行の進捗を示す。

調査の結果、署名都市における8つの顕著な傾向と、直面している4つの主要な障壁が特定された。レポートは、欧州の都市におけるサーキュラーエコノミーのさまざまな活用方法や、移行に向けた共通の課題への対処方法も示す。

欧州の都市における、サーキュラーエコノミー移行に関する8つの傾向

  1. 都市を支援するべく、欧州レベルで循環イニシアチブが増加している
  2. 都市は循環移行を進めるべく、循環戦略とロードマップを採用している
  3. 都市は材料のクローズドループを実現するべく、循環型インフラに投資している
  4. 都市は環境フットプリントを削減しサーキュラーエコノミーを実現するべく、公共調達を活用している
  5. 都市は独自のイノベーションプログラムを立ち上げ、循環移行を実現するためのイノベーションプロジェクトを実施している
  6. 都市は、市民の意識向上と循環移行に向けた所有意識の醸成を目指し、支援している
  7. 都市は、建設業界の循環性向上を推進している
  8. 都市は地域の食料システムをよりリジェネラティブにしている

サーキュラーエコノミー移行への障壁に対して、推奨される取り組み

  1. 能力と資源の制限を克服する
  2. 政治的支援を確保し、サイロを打破する
  3. 循環性の測定:データ収集から監視フレームワークまで
  4. パラダイムシフト:リニア型システムで循環を考える

スキルや知識の不足により、都市の循環移行はそれほど速く進んでおらず、情報のギャップを埋める必要がある。資金調達の選択肢の欠如も、移行速度を遅らせる要因となっている。民間部門と各国政府は、新しい機会を切り開く手助けをしなくてはならないと結論付けた。

【参照サイト】CCD Report 2022
【参照レポート】Circular Cities Declaration Report 2022
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