静岡県は5月15日、セルロース循環経済ビジネス実証事業に関する企画提案の公募を開始した。リサイクル性の高いセルロース素材を使用した製品の製造、使用、回収、再生産の過程(マテリアルリサイクル)を実証し、循環経済の実現を目指したビジネスモデルを広く県内に普及させることを目的としている。

委託期間は2025年3月21日まで。採択された事業者は、ビジネスモデルの企画、ビジネスモデルに基づく実証事業の実施、製品・性能評価、成果の検証および報告を行う。委託契約の上限額は 500万円で、2件ほど採択予定だという。応募は6月28日午後5時必着。

地方活性化の後押しとして循環経済が注目される中、静岡県はリサイクル性の高いセルロース素材に着目。セルロース素材を用いた製品開発やビジネスモデルの普及はいまだ途上にあることから、県が主導して、素材の優位性を活かした新たな用途開発やビジネスモデルの確立を目指すとしている。

2024年4月から7月にかけて、同県静岡市では、市のシェアサイクル「パルクル」に、ナノセルロースを使用したリッパー社の「BXホワイトタイヤ」を装着して公道走行を行う実証実験を行っている。従来の石油由来の強化剤を用いたタイヤに代わり、木材由来のナノセルロースで強化したタイヤを用いることで、二酸化炭素やマイクロプラスチックの排出量の削減を図る。

【プレスリリース】静岡県セルロース循環経済ビジネスモデル実証事業
【参照記事】Shizuoka City Acceleration Program 2023採択のLipper、静岡市のシェアサイクルで環境にやさしい「BXホワイトタイヤ」を装着して公道を走行する実証実験をスタート
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(※画像の出典:静岡県)