丸紅株式会社は4月10日、繊維業界の環境配慮型ビジネスを推進するプロジェクト「MALOOP PROJECT(マループプロジェクト)」を開始した。環境に配慮した商材の開発、環境負荷の低い素材・製品のトレード、環境配慮型の事業投資など、多角的に環境課題に取り組む。コンセプトは「皆さまと共に様々な環境課題を解決し、持続可能な未来を紡ぎ続ける」。

具体的な取り組み例として、同社が出資する米国のCirc, Inc.(サーク社)の技術による繊維のケミカルリサイクルを推進する。サーク社の技術はポリエステル・綿の複数素材を同時にケミカルリサイクルし、ポリエステルはポリエステル繊維に、綿はリヨセルなどのセルロース繊維に再生させる。

その他、海岸から50キロ以内の陸地に廃棄され、海へ流出する恐れのあるプラスチックごみ「OBP(Ocean Bound Plastic)」を再原料化する「M-OBP」事業や、奄美大島で回収されたペットボトルをクローズドリサイクル(使用済みの製品を回収、新たな製品の素材として自社で再使用・再利用する)することで、再製品化する「離島クローズドリサイクル」事業などが挙げられる。

事業開発への知見と総合商社としてのネットワークを生かし、「環境と経済の両面で持続可能な社会の実現と新しい価値の創出を目指す」としている。

【プレスリリース】繊維業界における環境配慮型ビジネスプロジェクト「MALOOP PROJECT」の開始およびウェブサイト公開について
【参照記事】丸紅「MALOOP PROJECT」
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