ドイツに本社を置く総合化学会社BASF(ビーエーエスエフ)は2024年7月17日、100%リサイクル可能な合成皮革の製造に向けたポリウレタンソリューション、Haptex® 4.0を発表した。Haptex® 4.0を使用した合成皮革とポリエチレンテレフタレート(PET)繊維は、特殊な配合とリサイクル技術により層間剝離をすることなく一緒にリサイクル可能だという。

合成皮革はポリウレタン(PU)やPETなど複数の原材料の複合材料であり、使用済み合成皮革の再利用やリサイクルが長年の課題であった。各層の接着強度が高く、層ごとに分離することが困難であるためだ。しかし、Haptex® 4.0によってこの課題に取り組むことができるようになり、廃棄物を出さない製造プロセスを実現する。

Haptex® 4.0の特徴は、製造プロセスで有機溶媒を使用しないため、揮発性有機化合物(VOC)基準に適合している点だ。このプロセスにより生産が大幅に簡素化され、迅速化される。さらに、Haptex® 4.0は耐久性も高く、フットウェアやファッション、自動車の内装、家具など様々な用途に適した選択肢となる。

「Haptex® 4.0は、技術的に画期的であり、循環経済原則の推進とさまざまな業界におけるリサイクル材料の使用促進に貢献します。BASFは持続可能で高性能かつ耐久性のある材料で顧客のグリーン変革を支援する新たな基準を打ち立てます」と、BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部アジア太平洋地域のバイスプレジデント、シルビア・モック氏は述べている。

【プレスリリース】BASF、持続可能な合成皮革の未来を切り開く Haptex® 4.0 を発表
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(※画像の出典:BASF)