帝人株式会社は1月21日、オランダのアーネム市に「European Sustainable Technology Innovation Center」(欧州サステナブル先端技術開発センター、以下「ESTIC」)を開設したことを発表した。
ESTICは、帝人グループが進める「環境価値ソリューション」領域の技術開発におけるハブ機能として、気候変動対策やサーキュラーエコノミー実現に向けた開発を推進する拠点である。持続可能な社会への貢献に向け、国や事業をまたがるグループ内連携を強化・促進し、外部との協創に積極的に取り組んでいく。
帝人グループは2020年2月に発表した中期経営計画2020-2022「ALWAYS EVOLVING」に基づいて、事業活動を展開している。同計画では、気候変動の緩和と適応、サーキュラーエコノミーの実現など、世界的な地球環境の目標達成に貢献する製品やサービスを「環境価値ソリューション」として提供することや、環境負荷低減に関する長期目標を掲げた。帝人は、同計画において重点施策の一つとして、イノベーション創出基盤の強化による継続的かつ的確な事業機会の創出と市場開拓の加速を定めた。そのため、イノベーション推進体制の強化、グループ内外の協創強化による革新的製品とサービスの拡充、ダイバーシティとインクルージョンの推進による組織の活性化やイノベーション創出の加速などに積極的に取り組んでおり、ESTIC設立により、これらをさらに強化していく考えだ。
帝人は今後、ESTICを以下のように展開していく。
- ESTICは「環境価値ソリューション」のハブ機能として、グローバル視点で事業をつなぎ、帝人グループが有する主要な素材や部材に関するライフサイクルやグリーンな素材への転換を通じて、環境負荷低減に取り組む。CO2排出削減や水素社会の実現などのサーキュラーエコノミーに関する新たな事業分野の創出にも挑戦する
- ESTICは「環境価値ソリューション」の提供において非常に重要となる外部との協創を進めるため、グループ外のハブや研究機関などとの協創関係を構築していく。オランダ・リンブルフ州にある国際的なオープンイノベーションコミュニティ「Brightlands Chemelot Campus」にも拠点を設けることを予定しており、外部とのコミュニケーションを積極的に行っていく
- 帝人グループは、ESTICの機能を活用して持続可能な製品や技術の開発を行い、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指すとともに、SDGsの目標達成に貢献していく
クリューガー量子
クリューガー量子(くりゅーがー りょうこ)ドイツ在住、ハイデルベルク市公認ガイド。土木工学を学び日本で土木技術者として働いた後、メキシコでスペイン語を習得、日西通訳として自動車関連企業で働く。2003年に渡独。専門分野:ドイツのサーキュラーエコノミー関連政策・企業動向、企業現地視察サポート、建設業界のサーキュラーエコノミー移行。個人ブログ:http://ameblo.jp/germanylife10/ 。(この人が書いた記事の一覧)