一般財団法人日本規格協会は9月1日、一般社団法人産業環境管理協会と共同で「サーキュラーエコノミー標準化プラットフォーム(CESP)」を設置し、リレー講演会を開催すると発表した。このプラットフォームは、サーキュラーエコノミー(循環経済、CE)の実現に向けた国内外の標準化や法規制などの情報を分野横断的に共有し、意見交換や対応方針の議論を行うことを目的としている。
サーキュラーエコノミーは、リデュース、リユース、リサイクルを含む取り組みであり、サプライチェーン全体でのアプローチが不可欠だ。地球環境への負荷低減を目指し、国際的な取り組みが加速しており、法規制や自主行動計画など、幅広い活動が展開されている。特に欧州では、エコデザイン指令の対象を拡大し、デジタルプロダクトパスポート(DPP)や消費財廃棄防止などを導入する新たな枠組みである「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」が2024年7月から施行され、今後、対象分野ごとに順次CE規制が導入される予定だ。
しかし、日本国内では、CEの標準化に関する議論は主に業界ごとに行われており、業界間の連携は限定的だ。このような背景から、日本規格協会と産業環境管理協会は、各国の法規制動向、国際規格、フォーラム標準などについて情報共有、意見交換、対応方針の議論を行うため、CESPを設置した。当面は、共通基盤的な情報共有活動を中心に実施する。
CESPは、サーキュラーパートナーズ(CPs)の「国際連携・標準化ワーキンググループ(WG)」と連携・協力して活動を進める。共通基盤的な情報共有活動の一環として、リレー形式で講演会を開催し、サーキュラーエコノミーに関する国内外の政策、資源循環、標準化などをテーマとした情報共有を行う予定だ。
日本規格協会(JSA)グループは、1945年12月に標準化および管理技術の開発、普及、啓発を目的に設立された一般財団法人日本規格協会を中核とする組織だ。JIS、国際規格(ISO・IEC規格)、JSA規格の開発、JIS規格票の発行と販売、国際規格・海外規格の頒布、セミナー提供、各種マネジメントシステムの審査登録、資格登録、品質管理検定(QC検定)など、多様な事業に取り組む日本の総合的標準化機関である。
【プレスリリース】サーキュラーエコノミー標準化プラットフォームの活動開始について
【参照記事】標準化交流プラットフォーム
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