タイ国立科学技術開発機構(NSTDA)はこのほど、日本の三井化学株式会社およびタイ科学研究・イノベーション(TSRI)の代表団をタイランド・サイエンスパークに招き、健康・生命科学、モビリティ、情報通信技術(ICT)など主要な戦略分野での協業可能性を探る会議と施設視察を実施した。

会議では、NSTDA傘下の国立ナノテクノロジー研究センター(NANOTEC)のウラチャ・ルクタノンチャイ博士がNSTDAの活動を紹介し、TSRI所長のソムポン・クレイノンスルアン教授、三井化学常務執行役員CTOの表利彦博士らが、各組織の戦略的優先事項と連携機会について議論した。NSTDAは三井化学に対し、同サイエンスパーク内への拠点設立を提案した。これにより、先進的研究設備、専門人材、産学官ネットワーク、共同研究・委託研究、共同設備利用、イノベーションの推進と技術移転の加速を目的とした、研究者の企業内配置を促進するタレントモビリティプログラムなど、包括的支援を活用できると説明した。

視察では、NANOTECの先端複合材料・ナノテキスタイル研究所、国立電子コンピューター技術研究センター(NECTEC)のサイバーフィジカルシステムセンター、テナントR&Dセンターなどを見学した。これらの訪問を通じて、三井化学代表団はNSTDAの研究インフラや産業R&D推進における役割を直接確認した。

今回の訪問は、NSTDAが国際パートナーシップ強化を通じて、科学・技術・イノベーション分野での地域的リーダーシップを高める取り組みの一環だ。

【参照記事】三井化学と主要戦略分野で連携の可能性を協議 タイNSTDA
【参照サイト】タイ国立科学技術開発機構(NSTDA)
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※ アイキャッチ画像は参照サイトのNSTDAより