デジタルプラットフォーマー株式会社はこのほど、イタリアのGenuino Blockchain Technologies S.r.l.社が開発したデジタル・プロダクト・パスポート(DPP)基盤を活用し、日本市場向けに最適化したブロックチェーンソリューション「Gログ」の提供を開始した。

この取り組みは、欧州連合(EU)で義務化が進むDPPの潮流を背景に、製品の真正性を担保し、ライフサイクル全体を通じたトレーサビリティを実現するものだ。消費者や取引先に対して信頼性のある情報を提示するデジタルインフラの役割を果たす。さらに、トレーサビリティの情報を活用・共有することで、製品の再利用・修理・リサイクルを目指した、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現にも貢献する。

Gログは、食品、飲料、アパレル、工芸品、部品・素材、化粧品、医薬品など多様な分野に対応し、真正性、透明性、持続可能性といった企業課題への解決策を提供する。今後は分散型ID(DID)や検証可能なクレデンシャル(VC)技術を活用した企業IDとの連携を通じて、製造・加工・流通・廃棄までのプロセスを一貫して証明可能な次世代型のサプライチェーン基盤として展開する見込みだ。

Gログは、欧州においてDPP導入実績を持つGenuino社の基盤を活用し、デジタルプラットフォーマーが日本市場向けにローカライズしたソリューションである。製品の原材料、製造・流通工程、修理・再利用・廃棄まで、ライフサイクル全体の情報をブロックチェーンに記録し、改ざん不能な形で可視化する。

欧州では、Genuino社の基盤がワインやアパレル、家具、自動車部品などの分野でDPPとして活用されており、EUの新制度への準拠も進んでいる。日本市場においても、これを活用することで、製品の原産地・環境負荷・流通履歴などをエビデンスとして提示でき、SDGs対応やESG投資、輸出入取引における信頼構築にも役立つ。

Gログはすでに飲料・食品分野において導入が進んでおり、とりわけワインなどのEU輸出品においては、ブドウの品種・収穫日・畑の場所、醸造方法・熟成期間・瓶詰日、製造責任者・保存条件・出荷ルートといった情報を製品単位で記録している。これらのデータはNFT化されブロックチェーンに記録され、スマートフォンで確認できるQRコードで表示される。製品の真正性保証、偽造防止、越境ECへの対応、ストーリーテリングによるブランド強化、さらには再流通時のリユース履歴の証明などにも利用可能だ。同様の仕組みは日本酒、伝統工芸品、オーガニック食品、日用品などにも展開が可能である。

デジタルプラットフォーマーは、DID/VC技術を活用し、Gログと企業IDを連携させることで、製品情報だけでなく、製造・流通に関わる企業や個人の真正性も証明できる基盤の構築を進める。これにより、製品の再資源化や修理履歴の記録によるサーキュラーエコノミーの推進、複数企業による共同サプライチェーンの透明化と責任所在の明確化、ESG/環境規制・グリーン調達対応の証拠提示、国際貿易・輸出管理・調達先管理への活用といった領域での活用が期待される。デジタルプラットフォーマーは、こうした社会課題解決に資するデジタル基盤としてGログの社会実装を加速する。

【参照プレスリリース】デジタルプラットフォーマー、欧州で義務化が進むデジタル・プロダクト・パスポート(DPP)対応ブロックチェーン活用ソリューション「Gログ」の提供を開始
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