日本GLP株式会社は10月31日、資源の効率的な循環を目指す「GLPサーキュラーエコノミー」の取り組みを本格的に開始したと発表した。同社がハブとなり、消費者側から生産者側へと製品や資源が還流する「静脈物流(リバースロジスティクス)」の課題を解決することで、環境負荷の低減と入居企業のコスト削減・収益化を支援する。静脈物流に特化したサーキュラーエコノミーの取り組みは、物流業界で初めてだ。

Eコマース市場の拡大などを背景に物流量が増加する一方、静脈物流の領域では効率化が遅れ、環境負荷が顕在化している。過剰な梱包による資源の無駄遣いや、返品・廃棄物の非効率な輸配送によるCO2排出量の増加、リサイクル可能な資源の廃棄などが課題となっていた。これらは環境負荷だけでなく、物流事業者にとって余分なコスト負担にもつながっている。

この課題に対し、日本GLPは物流施設をプラットフォームとして活用し、パートナー企業と連携して包括的な解決策を提供する。取り組みの柱は3つだ。第一に、梱包資材のスタートアップである株式会社shizaiと協働し、入居企業の商材に合わせた最適な梱包資材を提案・導入する。これにより、資材コストと資源の無駄を削減する。

第二に、株式会社宮崎をパートナーとし、複数の供給元を巡回して集荷する「ミルクラン方式」で廃棄物を共同回収する。物流施設で発生する段ボールやストレッチフィルムなどを有価物として買い取ることで、入居企業は廃棄コストを削減し、収益化が可能になる。また、回収車両を共同利用することでCO2排出量の削減にも貢献する。「GLP ALFALINK 流山」および周辺施設では、すでに『ALFALINK便』として運行を開始している。

第三に、リユース事業を展開する株式会社トレジャー・ファクトリーと業務提携契約を締結した。メーカーや小売事業者の返品商材や売れ残り在庫などを有償で買い取り、リユース市場へ再流通させる。これにより、これまで費用をかけて処分していた不要在庫を収益化し、廃棄物の発生を抑制する。

日本GLP代表取締役社長の帖佐義之氏は、「物流業界はドライバー不足やコスト高騰に加え、ESGへの貢献が不可欠となっている。当社がハブとなり、パートナー企業との協働で静脈物流を最適化することは、地球環境への負荷低減につながる。同時に、これまでコストであったものを収益化させ、入居企業の事業発展に貢献できると期待している。今後はパートナー企業をさらに拡大し、この取り組みを全国の施設へと展開していく。カスタマーの事業成長と持続可能な社会の実現に貢献し、『物流業界の応援団』として業界の発展を目指す」と述べた。

【プレスリリース】日本GLP、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進
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