愛知県は3月22日、「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」を策定したと発表した。

2017年、愛知県は「あいち地域循環圏形成プラン」を策定し、循環型社会の形成を推進してきた。今年度が同プランの計画期限となることから、サーキュラーエコノミーへの転換と3Rの高度化による循環ビジネスの進展を目標とした新プラン「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」の策定に至った。

あいちサーキュラーエコノミー推進プランは2022年度から2031年度を計画期間とし、「あいちビジョン2030」と「第5次愛知県環境基本計画」に基づき、循環ビジネスを中心とした同県の資源循環に関する施策と取り組みを示す計画として位置付けられる。あいちサーキュラーエコノミー推進プランは、次の6章から構成される。

  • 第1章 基本的事項(策定趣旨など)
  • 第2章 資源循環を取り巻く状況と同県の課題(資源循環を取り巻く国際・国内状況、同県の状況、取り組むべき課題 )
  • 第3章 目指す愛知の未来(サーキュラーエコノミーが浸透した循環型社会による環境負荷が最小化された「環境首都あいち」)
  • 第4章 プランの目標(サーキュラーエコノミーへの転換と3Rの高度化による循環ビジネスの進展)
  • 第5章 施策と主な取り組み(「あいち資源循環推進センター」を拠点として、4つの施策と主な取り組みを進める)
  • 第6章 プランの推進(「あいちサーキュラーエコノミー推進会議」を設置し、適切に進行管理を実施)

第5章の施策と主な取り組みでは、「サーキュラーエコノミー推進モデルの展開」「循環ビジネスの振興支援」「人材育成・情報発信」「多様な主体との連携」を4つの施策として掲げ、プロジェクトチームの設立から人材育成まで幅広い取り組みが示された。施策の一つ「サーキュラーエコノミー推進モデルの展開」では、同県の産業特性を活かし、プラスチックなどの社会的課題を解決するリーディングモデルを設定・プロジェクトチームを設立・モデルの具体化を推進することが定められた。モデル例は、プラスチック循環利用モデル、太陽光パネル循環利用モデル、繊維・衣類循環利用モデル、リペア・リビルドモデル、食品循環利用モデル、未利用木材循環利用モデルである。

愛知県は同プランにより、これまでの取り組みを活かしつつ、県内産業をサーキュラーエコノミーへ移行させることで、脱炭素・自然共生・経済成長・健やかで幸せな暮らしなど、持続可能な社会を構築していきたいとしている。今後、事業者・経済団体・金融機関・大学・行政など多様な組織と連携しながら、プラスチックや太陽光パネルなどを循環利用するモデル事業の展開や循環ビジネスの振興などを通して、サーキュラーエコノミーへの転換を進めていく意向だ。

県民の意見を参考にして包括的な視点と具体的な取り組みが盛り込まれた同プランをもとに、愛知県が国内外でサーキュラーエコノミーを牽引していくことが期待される。

【参照サイト】「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」を策定しました
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