アフリカ54カ国の環境大臣は12月4日、アフリカ環境大臣会合(AMCEN)の第8回特別会合において、新型コロナウイルス感染症の蔓延からの回復を目指す経済と社会システムを後押しする、包括的なグリーンリカバリーへの支援に合意した。また、大臣らは地域発展のために環境再生能力を強化し、天然資源を保護して持続可能な方法で使用することを再確認した。

同会議は、「新型コロナ後のアフリカにおける効果的復興のための環境行動の強化」をテーマに開催され、大臣らは新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響からアフリカ経済を持続的に再構築する取り組みの一環として、生物多様性と生態系の保護と回復を加速するよう呼びかけた。さらに、公衆衛生と汚染軽減、気候行動と生物多様性保全、生態系の完全性と社会経済的公平性、および繁栄を結びつける政策とプログラムの重要性に言及した。

新型コロナウイルス感染症の蔓延がアフリカの社会経済開発に与えた影響に注目しつつ、大臣らは持続可能な開発の達成と、貧困根絶への努力を特に弱体化させたことを認めた。そして、同感染症の蔓延からの効果的な復興戦略が不可欠であり、アフリカ経済のあらゆる側面で環境への配慮をさらに主流化する機会を提供し、より環境に優しくレジリエントな持続可能な開発に向けて努力することを推奨した。

同会議において大臣らは、2030年までに生物多様性の損失を逆転させることを目的とした、野心的で変革的なポスト2020年国際生物多様性枠組み策定のために国際的なコミュニティと協力することを約束した。また、アフリカの豊かな生物多様性は気候変動を緩和する上で貴重な財産であり、異常気象や砂漠化、氷河の後退などの課題に対処するために、パリ協定に基づいて計画と実施を精密に調整する必要性を強調した。同時に大臣らは、地域と大陸、および世界レベルでの多国間協力への継続的な支援と、2021年2月22日から2月26日まで開催される国連環境計画の国連環境総会への支援を改めて表明した。

南アフリカ共和国の環境・林業・水産大臣でAMCENの議長であるバーバラ・クリーシー氏は、「新型コロナウイルス感染症の蔓延は持続可能な開発と、環境悪化と闘って貧困を根絶するための私たちの努力に深刻な悪影響を及ぼしていますが、それはまた、私たちの復興を変革的で持続可能な開発の道に導く機会を提供します。アフリカのグリーン復興刺激策は、同感染症の蔓延の壊滅的な社会経済的および環境的影響に持続可能な方法で対処し、このアプローチがアフリカに良い機会をもたらすことを目指しています」と語った。

国連事務次長兼国連環境計画事務局長のインガー・アンダーセン氏は、「新型コロナウイルス感染症の蔓延を克服することで、気候の大惨事を回避し、自然を回復できます。グリーンリカバリーに資金提供するために国際的連帯と国内の資源再編を求めます」と述べている。

【プレスリリース】African Ministers of the Environment commit to support a green COVID-19 recovery plan