持続可能な社会の実現に向けて循環型の社会デザイン事業を展開するアミタと、「Circular Economy Hub」をはじめサステナビリティやサーキュラーエコノミーを軸としたメディアを運営するハーチ(東京都中央区)は、「サーキュラーデザイン」の国内での社会浸透に向けて、協働・連携を進めると発表した。

サーキュラーデザインは、サーキュラーエコノミーの推進のために、製品やサービス、ビジネスモデル、地域運営の在り方などを循環型にしていくためのデザイン手法。両社は、サーキュラーデザインの日本国内での社会浸透に向けて、サーキュラーデザインの考え方を取り込んでビジネス変革を考えるワークショップの共同開発や、相互メディアでサーキュラーデザインに関するリレーコラム連載を実施する。異業種の両社が連携することで、技術・知見の融合によるイノベーションの加速やネットワークの拡大などのシナジーを創出し、サーキュラー市場の活性化を目指すとしている。

サーキュラーエコノミー普及のカギを握る「サーキュラーデザイン」

欧州委員会が発表したレポートでは、製品の環境負荷の最大80%は「設計」の段階で決定づけられるというデータが引用されており、材料、製造過程、使用方法、廃棄方法など、環境負荷の大部分は実際に作り始める前のデザインの段階で決まると考えられている。このため、設計段階でサーキュラーデザインの原則を用いることが極めて重要だ。日本政府も、現在50兆円規模である循環経済関連ビジネスの市場を2030年までに80兆円以上に拡大させる目標を掲げており、企業にとって自社の事業活動を循環型に移行させることが必要不可欠になる。

アミタは、創業以来45年以上にわたり企業や自治体のサステナビリティ推進やサーキュラー移行の支援サービスを提供している。ハーチは、デジタルメディア運営を通じて培った専門的知見やネットワークを活用して企業・自治体向けサステナビリティ・サーキュラーエコノミー移行支援事業を手がけており、さまざまな産官学民連携プロジェクトに参画している。両社はこれまでも、サーキュラーデザインおよびサーキュラーエコノミーに関わるリサーチプロジェクトやセミナーなどで協働してきたが、日本におけるサーキュラーデザインのさらなる社会浸透およびサーキュラー市場の活性化を目的に、連携を強化・加速する。

両社による具体的な連携内容は以下の通り。

1)アミタ×ハーチ サーキュラーデザインワークショップ

アミタが提供する企業のサステナブル経営への移行支援サービス「Cyano Project(シアノプロジェクト)」において、循環型ビジネスの構想段階での支援メニューとして、サーキュラーデザインの考え方を取り込んだワークショップを共同開発している。同ワークショップでは、サーキュラーデザインのフレームワークに沿っていかにビジネスを循環型にするかを導き出しつつ、企業理念や提供価値を捉え直すことで、サーキュラーでかつ自社らしいビジネスのデザインを目指す。

従来、サーキュラーデザインの適応領域はプロダクトやサービスのデザインに留まりがちだったが、これをビジネスデザインやコミュニケーションデザインの領域まで広げることを意図して設計されたプログラムだ。

【セミナー案内】サーキュラーデザイン & 同ワークショップに関するオンラインセミナー
  • 日時:2024年7月4日(木)10:30~11:40(オンライン開催)
  • 詳細:こちらからご確認ください

※メディアの方もセミナーにご参加いただけます。こちらのお申込みフォームより、Q3に「メディア取材」とご記載のうえ、お申し込みください。

2)相互メディアによるリレーコラム連載

2024年6月よりアミタが運営するオウンドメディア「未来をおしえて!アミタさん」と、ハーチが運営する「Circular Economy Hub」において、サーキュラーデザインに関するリレーコラムを連載する。初回は両社の代表(アミタホールディングス:末次貴英、ハーチ:加藤佑)による対談で、内容は6月14日にアミタグループサイトで公開された「しまうまトーク」からのスピンオフとなっている(当メディアでは近日公開予定)。

リレーコラムでは、両社の「サーキュラー」や「サーキュラーデザイン」に対する捉え方や取り組み、サーキュラーデザインの先駆事例を紹介・解説することで、日本におけるサーキュラーデザインの理解促進を目指す。両社のメディアを活用したリレー形式での連載により、読者が両社のメディアを行き来することで、従来の事業面での取り組みではリーチできなかった幅広い読者・顧客へアプローチする。

同協働・連携を通じて、アミタはCyano Projectの商品性強化および、啓蒙・広報と営業・販売の連動により共感を軸とした顧客との長期的なパートナーシップを構築する「バリューマーケティング」の強化に取り組む。ハーチは、同協働・連携や欧州に拠点を持つ強み、および国内外のネットワークを活用し、日本におけるサーキュラーデザインの研究・普及・社会実装・文化創造に取り組む。

アミタは、サーキュラーエコノミー領域に特化したスタートアップ企業の創業支援プログラム「CIRCULAR STARTUP TOKYO(サーキュラー・スタートアップ東京)」のプログラムパートナーとして参画する。同プログラムは、東京都の多様な主体によるスタートアップ支援展開事業「TOKYO SUTEAM」の協定事業としてハーチが展開している。

両社は今回の連携にとどまらず、サーキュラーエコノミー推進を目指してサーキュラーデザインの社会浸透に向けた協働・連携を進めていく考えだ。

【プレスリリース】アミタ株式会社と循環型ビジネスのデザイン手法「サーキュラーデザイン」の社会浸透とサーキュラー市場の活性化に向けて協働・連携を推進(ハーチ株式会社プレスリリース)
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