アシックスは11月1日、サーキュラーエコノミーの実現に向け、使用されずに廃棄予定となったシューズを原料に用いたスニーカー「NEOCURVE(ネオカーブ)」の開発を発表した。この新製品は、2024年11月1日からヨーロッパ限定で発売される。シューズの回収から解体、材料化、デザイン、製造、販売をヨーロッパ圏内で行うことで、CO₂排出量削減への貢献を目指す。
同社は、デッドストックやサンプル品、自社規定をクリアせず販売できなかったものなどをリサイクルし、材料の一部として活用。アシックスが提携するオランダのFast Feet Grinded社によって分解・粉砕され、フォーム材やゴム、繊維、皮革、金属などに分類される。各材料は、強度や耐久性などの品質テストを経て、シューズのアッパー、靴底、ミッドソール、中敷きなどに使用される。シューズ全体の約15%にシューズを再生した材料が使用され、全体の約25%が一般的な再生材料を含む再生材料だという。
商品名の「NEOCURVE」は、新しい(NEO)生産方法を象徴するものであり、サーキュラーエコノミーへの転換点(CURVE)となることへの思いが込められている。デザインはオランダのStudio Hagelとのコラボレーションにより、2000年代初期のアーカイブを現代風にアップデートし、メタリック調の流線形デザインに仕上げられている。
アシックスは、デジタルツール「3D Shoes Viewer」を開発し、デジタル技術により生産数の最適化を図るなど、限られた資源の有効活用に努めている。同社によると、廃棄予定のシューズを分解・粉砕・材料化しスニーカーに活用する今回の取り組みは、スポーツブランドとして初の試みだという。
今後、アシックスはサーキュラーエコノミーの実現に向けた新たなモデルとしての有効性を検証し、ヨーロッパ以外での展開や他産業でのリサイクル材料の利用を検討していく。「健全な身体に健全な精神があれかし(Anima Sana In Corpore Sano)」という理念のもと、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げ、循環型モノづくりに取り組む。
【プレスリリース】サーキュラーエコノミー実現に向けた新たな取り組みとして、使用されずに廃棄予定となったシューズを原料に用いたスニーカー「NEOCURVE」を開発 11月1日からヨーロッパ限定で発売
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(※画像の出典:株式会社アシックス)