鹿島建設、竹中工務店、日本通運、リファインバースグループ、あおぞら、三菱ケミカルの6社は、環境省の「令和7年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業」として採択された「建設現場から排出される廃プラのケミカルリサイクル実証事業」を完了した。建設現場から排出される廃プラスチックを油化して再利用するケミカルリサイクルのサプライチェーンを構築し、再資源化率向上やCO2排出量削減の可能性を検証した。

建設現場から排出される廃プラスチック(建設系廃プラ)は、これまで多くが熱回収(サーマルリカバリー)や焼却、埋立処分されており、再資源化率の向上が課題となっている。今回の実証では、建設系廃プラをケミカルリサイクルするための回収・選別・再資源化の仕組みを構築し、環境性と経済性を評価した。
実証では、東京都内の新築工事現場6カ所から排出された建設系廃プラ約55トンを回収。油化に適した廃プラを選別・集積した後、油化原料へ加工し、再生油を製造してデータを収集した。
その結果、建設系廃プラをケミカルリサイクル適性に応じてステージ1~3に分類できることが分かった。このうち、建設系廃プラの35%がステージ1・2に分類され、ケミカルリサイクルが可能であることを確認した。また、ステージ3に対応した技術開発や設備追加が進めば、最大50%までケミカルリサイクルできる可能性が示された。

環境面では、CO2排出量を指標に環境負荷を評価した。建設系廃プラのうちステージ1・2に分類されるものを再生油へ再資源化する「ケミカルリサイクル導入シナリオ」と、固形燃料(RPF)化による熱回収を行う「現状シナリオ」を比較したところ、建設系廃プラの35%をケミカルリサイクルすることで、現状シナリオと比べてシナリオ全体のCO2排出量を15%削減できることを確認した。

また、社会実装を想定した経済性評価では、立地条件や処理規模などの前提によっては、既存の産業廃棄物処理と同程度のコストで運用できる可能性も確認された。
建設分野では、使用後の資材を回収・再資源化する取り組みが進みつつある。今回の実証は、建設系廃プラのケミカルリサイクルに向けた回収・再資源化の仕組みづくりに関する知見を示したものといえる。一方で、資源循環をさらに進めるためには、リサイクルしやすい素材の採用や解体・分別を考慮した設計など、上流側での循環設計の推進も重要となる。回収・再資源化の仕組みづくりとあわせて、水平リサイクルや高品質な再資源化を見据えた資材設計の普及が求められそうだ。
6社は今後、実証事業で得られた知見を活用し、プラスチック資源の有効活用に向けた取り組みを推進するとともに、持続可能な社会の実現への貢献を目指すとしている。
【プレスリリース】建設現場から排出される廃プラのケミカルリサイクルを実証
【プレスリリース】建設現場から排出される廃プラのケミカルリサイクルを実証 環境省「令和7年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業」の実証事業が完了
【プレスリリース】建設現場から排出される廃プラのケミカルリサイクルを実証
【参照記事】令和7年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業の結果について
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