環境省は2050年の持続可能な社会実現に向け、循環経済を最大限利用した将来像とそのアプローチについて1月18日から2月28日まで意見を募集している。

現行の第四次循環型社会形成推進基本計画(2018年閣議決定。以下、第四次循環基本計画)に基づき、環境省は2年に1回程度、施策の進捗状況の評価・点検を実施している。第四次循環基本計画が定める柱は次の7つ。

  • 持続可能な社会づくりとの統合的な取り組み
  • 多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化
  • ライフサイクル全体での徹底的な資源循環
  • 適正処理の推進と環境再生
  • 万全な災害廃棄物処理体制の構築
  • 適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開
  • 循環分野における基盤整備

今回の評価・点検については、上記の7つの柱のうち「ライフサイクル全体での徹底的な資源循環」を重点点検分野に設定し、これと密接に関連する分野(持続可能な社会づくりとの統合的取り組み、多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化、適正処理の更なる推進と環境再生、適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進など)を含む全5分野で点検・評価を実施する。その結果を循環経済工程表としてまとめ、ライフサイクル全体での資源循環に基づく脱炭素化の取り組みの推進を図っていく意向だ。

意見募集では、以下の3つの質問に対する回答が求められる。

  • 質問1:2050年カーボンニュートラルをはじめとした持続可能な社会の構築に向けて、製造・流通・販売・消費・使用・廃棄などのライフサイクル全般での適正な資源循環の取り組み(天然資源の消費抑制や環境負荷低減の取り組みを含む)の必要性についてどのように考えるか
  • 質問2:日本は、これまで3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みを積み上げてきたが、近年シェアリングやサブスクといった新たなビジネスモデルが台頭してきた。企業の本業やさまざまな主体の取り組みとして、循環経済の取り組みを実施し深化させ拡大していくには、どのような取り組みが考えられるか
  • 質問3:第四次循環基本計画では、環境的側面だけでなく経済的側面や社会的側面も含め、これらを統合的に向上させていくことを目指した関連施策を盛り込んでいる。循環経済の取り組みを推進し、福祉・教育・貧困をはじめとしたSDGs実現にも貢献する取り組みとして、どのようなものが考えられるか

「ライフサイクル全体での徹底的な資源循環」が掲げる将来像は、第四次産業革命により、「必要なモノ・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供する」ことで、ライフサイクル全体で徹底的な資源循環を行うことだ。国の取り組みとして、「開発設計段階での省資源化などの普及促進(生材の利用拡大・環境配慮設計・3Dモデリングなど)」「シェアリングなどの2Rビジネスの促進・評価」「素材別の取り組み(プラスチック、バイオマス、金属、土石・ 建設材料、その他の製品など)」を定めている。

意見提出は、郵送と電子政府の総合窓口(e-Gov)で受け付け中。

【プレスリリース】2050年カーボンニュートラルを始めとした持続可能な社会に向け、循環経済を最大限利用した循環型社会の将来像及びそのアプローチに対する意見の募集について
【参照サイト】第四次循環型社会形成推進基本計画