政府は6月2日の閣議で、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」の公布を決定した。同法は第221回国会で可決・成立していたもので、今後増加が見込まれる使用済み太陽光パネルの適正処理と資源循環の促進を目的としている。
太陽光発電は再生可能エネルギーの主力電源として全国で導入が進んできた。一方で、設備の耐用年数を迎える発電所が今後増加し、使用済み太陽電池廃棄物の排出量の著しい増加が見込まれている。環境省によると、2030年代後半以降には使用済み太陽光パネルの排出量が顕著に増加し、年間最大50万トン程度に達すると見込まれている。
新法の柱は、メガソーラー事業者など大量の事業用太陽電池を廃棄する発電事業者に対する「多量事業用太陽電池廃棄実施計画」の届出義務化だ。対象事業者は、太陽電池を廃棄する30日前までに、重量や処理方法、実施時期などを記載した計画を主務大臣に提出しなければならない。主務大臣は、省令で定める判断基準に基づいて計画内容を審査し、不十分と認められる場合は勧告や命令を行うことができる。提出を怠った場合や命令に従わない場合には罰則の対象となる。
廃棄・再資源化に要する費用は、基本的に太陽光発電事業者など排出者側が負担する仕組みとなる。政府はまず廃棄量の多い大規模事業者を対象とし、今後は重量要件や対象範囲の拡大を検討する。将来的には制度対象を広げることで、太陽光パネルの再資源化の実効性向上を図る考えだ。
また、太陽電池廃棄物の再資源化等事業を促進するため、事業計画の認定制度を創設する。国の認定を受けた事業者は、本来必要となる都道府県ごとの廃棄物処理法上の許可を取得しなくても、広域的にリサイクル施設を運営できるようになる。あわせて財政上の措置も講じる。
製造・輸入段階での対応も盛り込まれた。メーカーや輸入事業者には、環境に配慮した設計がなされた太陽電池の製造・販売や、含有物質に関する情報提供などの措置を求める。
政府は今後、太陽電池廃棄物の排出量の見込みや再資源化に要する費用の推移を踏まえ、本制度の在り方を検討し、必要に応じて見直しを行う。将来的には対象事業者の範囲拡大なども検討課題となる。
太陽光発電の普及を支えてきた固定価格買取制度(FIT)開始から10年以上が経過し、設備更新や撤去の時期を迎える発電所も増えている。新法は、迫りつつある太陽光パネルの大量廃棄時代に備え、再資源化の仕組みづくりを進める第一歩となる。
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